出版社内容情報
著者はローマ皇帝で哲人.蕃族の侵入や叛乱の平定のために東奔西走したが,僅かにえた孤独の時間に自らを省み,日々の行動を点検し,ストアの教えによって新なる力をえた.本書は静かな瞑想のもとに記されたものではあるが,著者の激しい人間性への追求がみられる.古来,もっとも多く読まれ,数知れぬ人々を鞭うち励ました書.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
讃壽鐵朗
2
自省録は、一言にすればどこか東洋的虚無感に近い。人生の長さを悠久の宇宙と比べたりなど。
みそみそ
1
非常に読み応えのある一冊。しかし、著者の自らとの対話が、読者にも伝わってくるし、心の中にある強い意志や思わずうまいと思うような比喩もたまに出てくる。もし読むなら、先に著者の生い立ちを知っておくほうが楽しめるので、訳者あとがきから読むとよい。2024/03/13
読書の鬼-ヤンマ
1
1991年12月5日第1刷、図書館本。“自省録”本の3冊目が本書。3冊で繰り返し紹介されたのが、第4章-49項。本書p59:『波の絶えず砕ける岩頭のごとくあれ』『なんて私は運が悪いのか、こんな目にあうとは!』否、その反対だ。何故なら『こんなことに出会っても、悲しみもせず、押しつぶされもせず、未来を恐れもしていない』からだ。次の信条をよりどころとせよ。『これは不運ではない。気高く耐え忍ぶことは幸運である』。で、そうかなあ?、絶えず押し寄せる波は、頑丈な岩を砕き、岩が無くなるのは自然の摂理だと、ふと思った。2022/07/03
舟江
0
本が古すぎた。しかしながら、この時代にこれだけの哲学があったとは、驚き以外何もない。2019/05/23