出版社内容情報
風土とは単なる自然環境ではなくして，人間の精神構造の中に刻みこまれた自己了解の仕方に他ならない．こうした観点から著者はモンスーン・沙漠・牧場という風土の三類型を設定し，日本をはじめ世界各地域の民族・文化・社会の特質を見事に浮彫りにした．今日なお論議をよんでやまぬ比較文化論の一大労作である． （解説 井上光貞）
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Gotoran
20
文化論の先駆的な作品の本書。世界の風土をﾓﾝｽｰﾝ（ｲﾝﾄﾞ､中国､日本）、沙漠（ｲｽﾗｴﾙ､ｲｽﾗﾑ､ｴｼﾞﾌﾟﾄ）、牧場（ｷﾞﾘｼｬ､ﾛｰﾏ､西欧）に区分し、夫々の風土と文化、思想の関連性を追究、即ち日本人の意識、文化、生活様式など、風土が人間に与える影響を、他地域（他国々）と対比させながら、非常に説得力のある文章構成で論考して行く。全篇に亘っての著者の西洋哲学に対する深い知識、直観の鋭さ、（芸術的、或いは詩人的）感性の卓越さに舌を巻いた。次回は『古寺巡礼』で再会したい。2013/10/15
じゃんし
1
人種や言語の違いよりも、自然とのかかわり方の違いが、民族の特性を生み出している、という考察がとても興味深いです。「三つの類型」の章を特におすすめします。このまま環境汚染が進み、気候風土が激変するようなことがあれば、将来この世界に住む人々の特性も今とは大きく変わってしまうのかもしれません。2015/08/24
a075
0
日本人を、外国人を見る目がかわるような。2009/02/06
