出版社内容情報
自己の所信を力強く表明する法廷のソクラテスを描いた『ソクラテスの弁明』.死刑の宣告を受けた後,国法を守って平静に死を迎えようとするソクラテスと,脱獄を勧める老友クリトンとの獄中の対話『クリトン』.ともにプラトン初期の作であるが,芸術的にも完璧に近い筆致をもって師ソクラテスの偉大な姿を我々に伝えている.
内容説明
自己の所信を力強く表明する法廷のソクラテスを描いた『ソクラテスの弁明』。死刑の宣告を受けた後、国法を守って平静に死を迎えようとするソクラテスと、脱獄を勧める老友クリトンとの獄中の対話『クリトン』ともにプラトン初期の作であるが、芸術的にも完璧に近い筆致をもって師ソクラテスの偉大な姿を我々に伝えている。
目次
ソクラテスの弁明
クリトン
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
朝ですよね
3
弁明もクリトンも本質を損なわない範囲で芸術的に脚色されていると思われる。弁論の達人らしく、相手の主張を正しく確認して反駁する姿が描かれている。"短時間の間にこれほど重大な誹謗を雪ぐことは容易ではない(p51)"。時間が足りないというのは本質的な内容だと感じた。各々が長く対話することは重要だが、多数の人で構成される国家ではそうもいかない。クリトンでは法を遵守するソクラテスが描かれているが、本来は信仰心が最上位で、法を破る事は二の次であるという指摘がされていた。2022/05/29
ががが
2
なぜ死を目の前にしてそこまで冷静なのか、その「正しさ」を求める姿勢にただ驚嘆するばかり。ソクラテスが偉大なことはわかった、そしてかなりの変わり者だということも。2012/10/05
tekesuta
1
人は命より大事なものがあると大胆かつ偉大になるよな。ツワイクのマリーアントワネットを読んだあとだけに、そんなことを考えた。 2011/05/24
ちあき
1
説明不要の古典。「弁明」の方が読みやすかったが、おもしろいと思ったのは当時のアテネの情勢が補足された注記や解説の方で、さほど心を動かされず。どうやら自分はソクラテスが神託に重きをおいていること、神々への信仰を保持していることに疑いをいだいているらしい。「クリトン」には「弁明」のあとじゃこういう主張にならざるをえないよなあ、という身も蓋もない感想をいだいたのみ。導いてくださったアラン先生にはたいへん申しわけないが、自分の徳性も知力もこんなレベルなので仕方ない。2011/01/03
tuna
1
倫理の授業を受けた後なら、すごく楽しめます。2010/01/04