出版社内容情報
人間とは何か。それをずっと考えながら,日本で,アフリカで,チンパンジーと寄り添うようにして研究を続けてきた。彼らには人間の言語のようなことばはない.けれども,彼らなりの心があり,ある意味で人間以上に深いきずながある.進化の隣人を知ることで到達した人間観を,三十余年に及ぶ研究の集大成として語りつくす。
内容説明
人間とは何か。それをずっと考えながら、日本で、アフリカで、チンパンジーと寄り添うようにして研究を続けてきた。彼らには人間の言語のようなことばはない。けれども、彼らなりの心があり、ある意味で人間以上に深いきずながある。人間の体が進化の産物であるのと同様に、その心も進化の産物だ。人間にもっとも近い進化の隣人を深く知ることで、人間の心のどういう部分が特別なのかが照らしだされ、教育や親子関係や社会の進化的な起源が見えてくる。この本では、チンパンジーの研究を通してたどりついた「人間とは何か」の答えをお話ししよう。
目次
プロローグ―心、ことば、きずな
第1章 心の歴史学
第2章 生活史―人間は共に育てる
第3章 親子―人間は微笑み、見つめ合う
第4章 社会性―人間は役割分担する
第5章 道具―認識の深さ
第6章 教育と学習―人間は教え、認める
第7章 ことばと記憶―トレードオフ
第8章 想像するちから―絶望するのも、希望をもつのも、人間だから
長めのエピローグ―進化の隣人に寄り添って
著者等紹介
松沢哲郎[マツザワテツロウ]
1950年生まれ。1974年、京都大学文学部哲学科卒業。理学博士。現在、京都大学霊長類研究所教授・所長、国際高等研究所学術参与、中部学院大学客員教授。1978年から「アイ・プロジェクト」とよばれるチンパンジーの心の研究を始め、1986年からは毎年アフリカに行き、野生チンパンジーの生態調査もおこなう。2000年からは、アイと息子のアユムをはじめ三組の母子を対象にして、知識や技術の世代間伝播の研究に取り組む。こうしたチンパンジーの研究を通じて人間の心や行動の進化的起源を探り、「比較認知科学」とよばれる新しい研究領域を開拓してきた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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