出版社内容情報
石原は,日本初の相対論と量子論の論文を書いた理論物理学者だった.日本にアインシュタインを紹介,その著作は湯川秀樹や朝永振一郎を物理学の世界に導いた.多くの科学啓蒙書や解説書を執筆し,戦中も身を呈して真の科学を訴え続けた.彼の波瀾の人生を通して,科学の真髄や最先端の成果を広く伝えることの大切さを考える.
内容説明
石原純(一八八一~一九四七)は、第一級の理論物理学者、科学ジャーナリスト、歌人であった。アインシュタイン‐インフェルト『物理学はいかに創られたか』(岩波新書)の訳者として知られるが、編輯主任として岩波書店の雑誌『科学』の創刊および『岩波理化学辞典』の刊行にも携わった。それ以前に日本で初の相対論の論文と、日本で初の量子論の論文を書き、日本の理論物理学の基礎を築いた人であり、湯川秀樹や朝永振一郎などをその書で物理学の世界へ導いた。彼の科学観、科学教育論、社会批判は、いまこそ読まれるべきである。生誕一三〇年、『科学』創刊八〇年という記念の年に、石原純再評価を期待して刊行する。
目次
第1部 物理学者への道(小・中学校時代;第一高等学校時代 ほか)
第2部 日本初の理論物理学者誕生(理論物理学者として自立する;最初の相対論に関する論文 ほか)
第3部 ヨーロッパ留学から東北帝国大学教授辞任まで(ヨーロッパ留学―ドイツへ;ヨーロッパ留学―ミュンヘンとベルリン ほか)
第4部 科学ジャーナリストとして(科学ジャーナリストへの転身;『相対性原理』と『アインスタイン教授講演録』 ほか)
第5部 戦時科学振興政策批判から敗戦直後の急逝まで(ファシズムに抗して;戦時科学振興政策を批判する ほか)
著者等紹介
西尾成子[ニシオシゲコ]
1935年東京生まれ。お茶の水女子大学理学部物理学科卒業。日本科学技術情報センター所員、日本大学理工学部教授などを経て、日本大学名誉教授(理学博士)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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