出版社内容情報
産業的商品に完全に支配された生活様式に特有の「セックス」とは別の人間関係のあり方を考察する.時間と場所に応じて多様な形をとる女と男の関係=「ジェンダー」を歴史的に分析し,その喪失がもたらした荒廃を指弾する.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kaizen@名古屋de朝活読書会
69
玉野井芳郎が飜訳していたので読んだ。 一つのものの見方として有益な内容を含んでいる。 性別という視点の文化的な視点、歴史的な視点など幅広い視点が必要かもしれないことを考えさせられた。内容がすべてわかったわけではない。2010/09/01
mogihideyuki
1
かつてのジェンダーは、独立して互いに侵すことのできない領域を持ち、相互補完的なものだったという。たとえば出産は女に属することであり、中絶しても嬰児を殺しても、男が口を出すことはできなかった。中世から近代にかけて、「人間」や「生命」という概念がジェンダーを消し去り、ユニセックスの世界が訪れた。教会が異性同士の結婚と性交渉を「正常」と規定し、産業社会が基本的生産単位としての結婚を確立した。ジェンダーがあった社会と現代の「セクシズム」を対置し、その非連続性を説く。(続2017/07/16
昌也
0
再読2022/01/25