出版社内容情報
近世日本社会の歴史的展開を地球的世界の激動という視野でとらえ,諸階層の多様な在り方とその意識の様相にも留意しつつ,社会構造と支配機構の変質を究明し,幕末開港にいたる道程を説き明かす.
内容説明
15世紀から幕末開港にいたる日本社会の歴史的展開を、地球的世界の激動のなかでとらえる。
目次
はじめに 院内銀山の人たち
1 「鎖国」―地球的世界の形成と近世日本の対応
2 近世の武家政権と伝統的権威
3 支配組織と再生産構造
4 幕藩体制下の政治史
5 思想と文化の特質と展開
6 幕藩制社会の変質
7 開国―近代日本への道程
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Hiroki Nishizumi
1
文章を通じて誠実な人柄がしのばれる。江戸時代を中心に日本社会の構造を切り取っており、参考になった。導入にある院内銀山へ、いつか寄ってみたい。2018/07/06
A.Sakurai
0
幕藩体制の成立から崩壊まで,その政権構造を解き明かしていく.特に専門の成立期については史料に基づいた実証的な事例でじっくり論じる.体制の基盤は技術発展による生産性向上と,全国的な市場の成立と,国内での規範意識を含めた対外的な関係から導かれた.ところが崩壊もまた全く同じ技術と市場と対外関係の変化が基盤の矛盾を拡大していったという理解.★長らく小国家分裂体制だったのに,ずっと律令時代由来の国郡制が支配/被支配意識に残っていたという.そういえば「真田丸」で真田昌幸は”国”大名にこだわっていたな.2016/09/12