出版社内容情報
目前にせまった新しい世紀．われわれはどんな問題に遭遇するだろう．科学技術の展開から国家のありようにいたるまで，ここに示された問題群の広がりは，次世紀を豊かに生きて行くための確かな手がかりを提供する．
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
白義
2
近代のイデオロギーをヘーゲルやコジェーヴらの思想史から探求し、相対化を試みる小著ですね。冷戦以降のアメリカを見据えるある種のアメリカ論にもなっていますが、一番の魅力は近代のリベラルデモクラシーや資本主義の哲学的な背景まで描き、今後の国際社会を考える手慣れた手つきでしょう。保守派でありながらフーコーやアドルノ、ボードリヤールまで分析に使うフットワークの軽さは健在。佐伯さんの本ではわりとコンパクトですが、近代思想を考える上でなかなか便利です2011/06/02
