出版社内容情報
さまざまに変貌する価値観.最終の拠り所であるはずの「個」そのものが揺らいでいる.日々の生活で直面する「個」にまつわる問題を,情報化,多文化主義,生命,ジェンダー,実在的自覚・超越などを基軸として考える.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
寛生
37
【図書館】後半がいいが、全体的には議論が散漫しすぎだという印象を拭えない。「痛み」や「痛い」と感じることが生の創造性と結びついたり、またそれが己を解放する創造性でもある(120)とか、痛みへの感受性は生の在り方であり、それを他者と理解することができるとまではいってはいないが、人間がやがて老い死にゆくものであるということへの理解のカギとはなる(138)といっているのでないか。老いることやボケることは自らの人生に特流な時間のリズムで再度とらえなおし、振り返ることではないかという所は面白い。少し曖昧すぎる文体。2014/10/22