出版社内容情報
フランス革命のイデオロギー上の真の主役は誰だったのか.ルソーやディドローの陰にうごめくいかがわしい哲学者や三文文士たち.文学史の記述を次々と覆し,光の世紀といわれた時代の暗黒を描く力作.
内容説明
思想史上「啓蒙」の時代として知られる18世紀フランス。だがヴォルテール,ディドロ,ルソーらの背後に隠れて「どぶ川のルソー」とよぶべきいかがわしい三文文士たちが暗躍していたその実態はこれまで知られることがなかった。しかし実は、エスタブリッシュメントに対し怨念と憎悪に凝り固まったこの連中こそが、検閲と出版統制の法網をかいくぐって体制誹謗の中傷文書やポルノグラフィーを流布させ王権の「脱神聖化」を推し進めることで、革命を準備したのだった。当時の警察文書や手紙、営業記録など膨大な眠れる史料を丹念に渉猟し、啓蒙の時代の鮮やかな読み直し―「われらの失いし世界」の扉を開くこと―に成功した「思想の社会史」における画期的傑作。
目次
第1章 革命前夜の政治と文学―啓蒙の思想から「どぶ川のルソー」まで
第2章 どん底世界に棲むスパイ
第3章 逃げまわるパンフレット作者
第4章 マントの下の書物取引―アンシアン・レジーム末期の地下出版物
第5章 国境を越える印刷工房
第6章 書物の社会史―読むこと・書くこと・出版すること
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