出版社内容情報
教科書問題の発生より10年,日本政府の戦争に対する謝罪への動き,日韓合同歴史教科書研究会の発足など,新たな気運の中で,東アジア諸国からの批判を見直し,日韓台の歴史学者が,新しい教科書づくりの指針を提言する.
目次
歴史の見直しと歴史教科書
韓国―日本の歴史教科書歪曲事件
中国―何を批判したのか
東南アジア―問われ続ける日本の教科書問題
新検定制度―問われる国際化
ドイツ―歴史教科書改善のための国際研究
「日韓合同歴史教科書研究会」―何をめざすのか
東アジア史構築への期待
歴史教科書問題の課題と展望
感想・レビュー
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扉のこちら側
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2017年24冊め。1982年夏に日本の歴史教科書が史実を歪曲されている、とアジア諸国に批判されてから25年。西独の戦後教育改革と日本のそれとを対比されるが、西ドイツの場合はアメリカのみではなく隣国の英国やフランスが戦力国に加わっていた。これらの教育関係者と嫌でも協力しなければならなかった西独と、中国や南北朝鮮、アジア諸国のように深い歴史関係を持たなかったアメリカ一辺倒で教育改革を行った日本との違い。日本の隣国はどこも第二次大戦後、新たな戦い(内戦)があって日本の教科書どころではなかったわけである。2017/01/10