出版社内容情報
ファシストによる祖国スペインの独裁に抗議し亡命生活のまま世を去ったカザルス.この巨匠が国連で奏でた《鳥の歌》の深い音色は平和への思いを世界に鳴り響かせた.カザルスに直接レッスンを受けた筆者がその感動の生涯を綴る.
内容説明
ファシストによる祖国スペインの独裁に抗議し亡命生活のまま世を去ったカザルス。この巨匠が国連で奏でた〈鳥の歌〉の深い音色は、平和への思いを世界に鳴り響かせた。カザルスに直接レッスンを受けた筆者がその感動の生涯を綴る。
目次
世界にひびいた〈鳥の歌〉
カタロニアの二つの顔
修業時代
巨匠への道
カザルス・オーケストラと勤労者音楽協会
スペイン共和国とともに―勝利と悲劇
プラード生活
2度目の亡命―雄弁な沈黙
音楽史上の奇蹟―プラード音楽祭
日本でのカザルス
平和をチェロにのせて
カザルス故郷に帰る
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
扉のこちら側
71
2017年9冊め。スペイン内戦、ナチズム・ファシズムへの抵抗。巨匠カザルスが貫いた平和への姿勢は全世界の音楽家を立ち上がらせ、音楽史上の奇蹟と言われたプラード音楽祭の開催へと繋がる。1971年10月24日、国連総会会議場での「国連デー記念コンサート」は50か国以上で放映され、カタロニア民謡≪鳥の歌≫は平和と自由のシンボルに昇華された。2017/01/08
新平
1
P14「人間性の尊厳に対する侮辱は私への侮辱だ。不正に抗議することは良心の問題なのだ。~中略~ 芸術家ほど自由と真理探究の擁護に関心を持つものがほかにあるだろうか?この二つは創造行為に必要不可欠なのだから。」会費制の世界で初めての勤労者音楽協会の設立など、カザルスの拓いた道は、独立と自治という古くからのカタルーニャの伝統の歴史の延長にあった。2011/12/11
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