出版社内容情報
らいてうは,先駆的な思想家・運動家として日本近代史上に大きく名をとどめている.“元始,女性は太陽であった”の人間復権の声を,いま,どう受けつぐか,そこから何を学びとるか,若い世代に呼びかける. 付資料・年譜.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
扉のこちら側
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2016年733冊め。今から130年前に生まれた彼女が、参政権や教育を受ける権利を我々にくれたわけである。「日本の女性が無知と無権利と差別の壁のなかに押し込められていく」時代に生を受け、戦いの中に生きた女性。21世紀の女性でもなかなか決断できない同棲からの事実婚で出産というコンボを大正時代にやってしまうとは。心中未遂事件では、らいてうは非難を受けたが相手の森田草平は漱石に庇護されて小説『煤煙』でこの事件を描いて新進作家として評価されたなんて皮肉。2016/09/18
くり坊
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「読書遍歴のなかで、やがて禅の修行に励み、見性(けんしょう)する」(48頁)は、平塚らいてうの知られざる側面なのかもしれないと思い、wikiを検索してみたら「1905年(明治38年)には禅の存在を知り、日暮里にある禅の道場「両忘庵」(現在の人間禅擇木道場)に通い始めるようになった。禅の公案修行で見性を許され、悟りを開いた証明として慧薫(えくん)禅子という道号を授かっている。」と書かれていた。初めての発見でした。2019/09/06