“個”の誕生―キリスト教教理をつくった人びと

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  • サイズ A5判/ページ数 302p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784000028974
  • NDC分類 191
  • Cコード C3015

出版社内容情報

古代から中世へ,一大転換期を舞台にした思想のドラマ-4~6世紀のキリスト教教義論争史にわけいる.カルケドン公会議を中心に,時代を揺るがした流血の闘争から生まれた新しいアイデア,未知の価値とは何だったのか.

内容説明

古代から中世へ、一大転換期を舞台にした思想のドラマ―4~6世紀のキリスト教教義論争史にわけいる。カルケドン公会議を中心に、時代を揺るがした流血の闘争から生まれた新しいアイデア、未知の価値とは何だったのか。

目次

序章 カテゴリー
第1章 いくつかの日付
第2章 ヒュポスタシスとペルソナ
第3章 カルケドン公会議―ヨーロッパ思想の大いなる転換点
第4章 キリスト教的な存在概念の成熟
第5章 個の概念・個の存在

著者等紹介

坂口ふみ[サカグチフミ]
1933年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科比較文学比較文化修士課程修了。ミュンヘン大学でPh.D.取得。東京大学、東北大学、清泉女学院大学を経て、東北大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しゅん

17
初期キリスト教のあまりに細かい議論が、ギリシア的な明瞭な知とは別の思考を捉えていたことを示す本。数百年繰り返された公会議の中で、ヒュポスタシス=沈殿とペルソナ=仮面という別の言葉が一つに繋がり、公共性と対立する〈個〉の思想を作った、というのが本書の中心アイディアか。古典ギリシアと初期キリスト教に関する私の知識が浅薄だからか、理路と歴史がうまく追えなかった。文体は簡潔かつ率直に思えるのに。区別する知が「差別」を孕むなら、区別しない知を考える必要があるという主張を、具体的な体験と示す序章は印象強い。2022/03/15

てだ

3
あまりにもよかった。重箱の隅をつつくような微妙な差異をめぐる教義論争が、明晰で普遍的な論理にまっこうから戦い続けた歴史そのものだったのだ…という本。正直、読んでてたびたび泣きそうになった。2019/06/17

toiwata

3
教義は初めからその形で存在したものではなく、教会の歴史は異端と正統の僅かな違いが作る。最初と最後に置かれた筆者の友人への追憶に言葉がない。<<「私もそうだ」。>>p.1 <<「-おそろしい夢を見た。こわい女の人が死にかかった猫を抱いていた。>>p.2872017/05/22

YASU

1
キリストは神か人か等をめぐる教義論争と成立過程が詳細に解説されている.相当な専門関心がないと難解だが,しかしこの,合理科学的に見れば不毛にみえる論争の中から,近代的な<個>が生まれたという.普遍的人間本性を追求したギリシャ哲学的系譜から離れて,唯一個別的存在が立ち上がった過程.そのような西欧的志向と,東欧との分岐.そういった差異が今に続いているのだとしたら興味深い.2023/01/07

陽香

0
199704042013/01/31

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