出版社内容情報
過去2世紀にわたり,言語学の内と外で多彩に繰り広げられた「自律性」をめぐる論争を概観し,チョムスキーとその生成文法理論の思想史的総括を試みながら,言語学のイデオロギー性をあぶりだす,ユニークな言語学史.
内容説明
本書は、19世紀のロマン主義運動のただなかから誕生し、時代の政治的・知的潮流と密接に関わりながら展開してきた近代言語学。その本質を「自律性」としてとらえる立場から、本書は、過去2世紀にわたる言語学の内と外とで多彩に繰り広げられた論争を、現代史の流れの中で明快に描き、言語学のもつイデオロギー性をあぶりだす。同時に、チョムスキーとその生成文法理論の思想史的総括を試みる、異色の言語学史である。
目次
第1章 言語の研究
第2章 自律言語学の誕生
第3章 構造言語学
第4章 チョムスキー革命
第5章 自律言語学への異論
第6章 自律性論争をめぐって
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くにお
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チョムスキーの初期著作の謝辞に、彼の研究がアメリカの軍から支援を受けているということが書かれていてた。言語学というと世間離れしていようなイメージだったが、政治と無関係な学問など存在しないのだと思わされた。この本では19世紀にさかのぼって、言語学の諸派の趨勢を言語学内部の事情と政治的、社会的な外部からの要因と絡めてまとめてくれている。著者はこの手の本をいくつか出しているが、彼自身は言語学(生成文法)内部の人間であり、このような人でこうした言語学史に通じている人があまりいないので、貴重な存在だと思う。2011/09/24
rhetorico
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言語学者って不毛