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出版社内容情報
「絵画の現象学」とでもよぶべき手法によって,モネ,モンドリアン,華岳,ロスコら時代を先取りした芸術家の作品固有の意味を明らかにし,その中に潜む自由な思考,繊細な精神を鮮やかに引出す.芸術の本質を浮彫りにした労作.
内容説明
今世紀初め華やかに開花し、その後多彩な発展をみたモダンアート。「作品の詩学」「絵画の現象学」とでもよぶべき手法によって、時代を先取りした芸術家たちが残した「痕跡」をたどりながら、作品固有の意味を明らかにする。クロード・モネ、ピート・モンドリアン、マーク・ロスコ、村上華岳、そして風景、地球を素材としたアースワークの作家たち。沈黙する絵画テクストの中に潜む自由で繊細な精神を鮮やかに引き出し、創作の本質を見事に捉えた刺激的考察。
目次
白の平面 モンドリアン
風景なき時代の風景 アースワーク
震動するエクリチュール 村上華岳
垂直に立つ水 モネ
雲のドラマ ロスコ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
袖崎いたる
5
根源的なことを考えようと試みるエッセイ。めっちゃ概念の話をする。絵画で存在を考えようとしている。テクスト第一主義を打ち出しているのは潔い。芸術論はそうでなければと書きつけている。線に関しては、啓蒙させられた。線はあらゆる芸術の根底にある流れをつかむ単位。なるほど。2019/11/06
sk
0
思考が単純だが説得的で、読んだ後に得した感がある。2012/12/13
kiyo
0
この本で紹介されている美術研究家ドア・アンシュトンの言葉「…絵を描くことは自己表現の一形態ではない。絵画とは他のすべての芸術と同様に一つの言語なのであり、それによって人は世界について何事かを伝達する」。はたして、<ではない>のだろうか、<伝達する>のだろうか。これに首肯できるかどうかが全体の評価の分かれ目でもあると思う。2012/09/02