出版社内容情報
ロックは『統治二論』でフィルマーの王権神授説を徹底的に批判した。しかしその論拠は今日でも有効なのか。人民主権と社会契約をめぐる考察は、戦前戦後の日本へとつながる。政治思想史と思想研究が交錯する意欲作。
内容説明
ロックは『統治二論』でロバート・フィルマーの王権神授説を徹底的に批判し、人民主権の自由主義的な政治を描いた。結果、フィルマーは「絶対主義者」「王権神授説のイデオローグ」「家父長主義者」「専制君主の支持者」として歴史に名を残すことになった。しかし、ロックのフィルマー論駁の根拠は今でも有効なのか。もしロックに拠らないとするならば、今日、わたしたちはどのようにフィルマーと向き合い、人民主権と社会契約を基礎づければよいのか。考察は、一七世紀イングランドから、戦前戦後の日本へとつながる。政治思想史と思想研究が交錯する意欲作。
目次
第1部 ロバート・フィルマーとその時代(内乱以前―「アダムの権利の基礎」;「アダムの権利」の暴走―内乱以後のロバート・フィルマー)
第2部 ロバート・フィルマーの遺産(フィルマーとロック―権力の源泉と服従への問い;日本における「フィルマー」の影―三つのフィルマー論争)
著者等紹介
古田拓也[フルタタクヤ]
1985年、岐阜県出身。専門は政治思想史。慶應義塾大学大学院法学研究科政治学専攻博士課程修了。博士(法学)。17世紀イングランドの政治思想史および20世紀政治思想史方法論を中心に研究を進めている。現在は慶應義塾大学・関東学院大学・二松学舎大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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