出版社内容情報
1人の証言者も残さない徹底的な破壊を,歴史は想起できるのか.民族・国民の歴史が排除してきた「他者」を,歴史は回復できるのか-近代の歴史的理性の限界を超えて,異他なる歴史の構想をサバルタンのなかに探る.
内容説明
一人の証言者も残さない徹底的な破壊を、歴史は想起できるのか。民族・国民の歴史が排除してきた「他者」を、歴史は回復できるのか―二〇世紀の廃墟のあとを生きる私たちは、近代の歴史的理性の限界を意識せざるをえない。しかしまさにそれゆえに、わたしたちは廃墟のあとの歴史・異他なる歴史の構想へと歩を進めることができるのだ。あらたな歴史の主体形成の可能性をサバルタンのなかに探る、二一世紀の歴史哲学への問い。
目次
経験の敗北
1 歴史叙述と語りえぬもの(アウシュヴィッツと証言の危機;「理想的クロニクル」再考)
2 主体について(「われわれの現在」と歴史の原―暴力;事実(Tat‐Sache)としての主体)
3 歴史の異他なる反場所へ(肯定的脱構築、あるいは主体の転成;転移と憑依)
著者等紹介
上村忠男[ウエムラタダオ]
1941年、兵庫県尼崎市に生れる。1968年、東京大学大学院社会学研究科(国際関係論)修士課程修了。現在、東京外国語大学大学院地域文化研究科教授。学問論・思想史専攻
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