出版社内容情報
新世界で奴隷という身分にされたアフリカの人びとが,アフリカン・アメリカン文化という,それまでにない新しい文化を生みだした.その根底には何があったのか.世界的に著名な歴史人類学者が分かりやすく解説する.
内容説明
奴隷制という苛酷な環境の中で、新世界=「アメリカス」の黒人は、アフリカン・アメリカン文化というそれまでにないまったく新しい文化を生みだした。すさまじい抑圧に直面した彼らは、生きのびるためにどう抵抗し、適応したのか。その時彼らは精神をどのように働かせたのか。彼らのしなやかな想像力による文化創造の過程をたどる。
目次
1 歴史的背景(アフリカとヨーロッパと「新世界」の三角関係―国際経済が生まれた;アフリカ化された西半球;奴隷はどのような環境におかれていたか)
2 アフリカン・アメリカン文化の誕生(家族の形成;クレオール語の創造;奴隷はいかに抵抗したか;奴隷制の時代にも、先駆的小農民制があった ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
海辺で読書
1
プランテーション労働力として、強制的にカリブ海地域に連行されてきたアフリカ人達がいかに新たな環境の中でいかに独自(?)の文化・風習を築いたかを専門家へのインタビュー形式で綴った一冊。たまたまプランテーションへの労働力の大量供給としてアフリカ大陸の住民が都合が良かっただけであり、そこに肌の色の違いという区別はなかったという考察や、酷悪な生活環境であったカリブ海地域に比べ、ややましであった北アメリカ大陸のアメリカン・アフリカンの方がより激しい黒人運動を起こしていたなど、興味深い内容が盛り沢山だった。2015/05/12