出版社内容情報
多元化する現代世界にあって,倫理とは――ロールズ正義論の哲学的背景を西欧倫理思想の伝統に探り,その発端と終末,ソクラテスとレヴィナスに「正義と超越」をめぐる西欧的思考のポジとネガを見定める.著者年来の思索の結実.
内容説明
ロールズ正義論の哲学的背景を西欧倫理思想の伝統に探り、その発端と終末、ソクラテスとレヴィナスに「正義と超越」をめぐる西欧的思考のポジとネガを見定める。一方に、自己実現と競争の支配する世界、他方に、宗教的次元の生存―人間が生きるこの二つの地平を視野に収めて、社会的公正の理論と、超越をめぐる宗教的思考との関係を考える。ギリシア起源の合理主義と、ユダヤ・キリスト教的精神伝統の両面にわたりつつ、人間の社会性から宗教的実存までをつらぬく規範理論を探求した、年来の思索の結実。
目次
ソクラテスの問い―原点への還帰
第1部 正義論(正義論の基底―ロールズとアリストテレス;公共的合意による倫理―ロールズ哲学の基本的構造;人倫的世界における目的論―アリストテレスにおける自然的正義の基礎)
第2部 ソクラテスにおける超越の地平(ソクラテスにおける超越的なもの;否定の精神と超越への予感―キルケゴールのソクラテス理解によせて)
第3部 レヴィナス存在のかなたへ(超越と倫理―人間のかけがえのなさについて;レヴィナスの「無限」―神はどこに、どのように)
著者等紹介
岩田靖夫[イワタヤスオ]
1932年生まれ。専攻、古代ギリシア哲学。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。1979~81年、ルーヴァン大学とケルン大学で、86~87年、ハーヴァード大学で研究する。現在、仙台白百合女子大学名誉教授。東北大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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