落花流水―谷崎潤一郎と祖父関雪の思い出

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  • サイズ B6判/ページ数 165p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000024242
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0095

出版社内容情報

大正・昭和にかけ関西画壇の重鎮だった日本画家橋本関雪の孫として京都に生まれ、戦後、下鴨の潺湲亭で義父谷崎潤一郎やその家族と暮らした著者が四十年余りの封印を解いて語る晩年の文豪とその家族の物語。谷崎潤一郎宛未発表書簡二一通を付す。

内容説明

大正・昭和にかけ関西画壇の重鎮であった日本画家橋本関雪の孫として京都に生まれ育ち、戦後、下鴨の潺湲亭で義父谷崎潤一郎やその家族と四年間暮らしを共にした著者が、四十年余りの封印を解いて語る晩年の文豪とその家族の物語。『源氏物語』の六条院の生活だといわれた谷崎家の日常生活、松子夫人のかげでひっそりと生きた妹重子の人となり、『瘋癲老人日記』の颯子のモデル問題、十年間で三百通を超える谷崎との往復書簡のことなどが率直に綴られる貴重な回想記。谷崎潤一郎宛未発表書簡21通を付す。

目次

1 浄土寺石橋町/哲学の道―日本画家橋本関雪の孫として(生い立ち;父の郷里 ほか)
2 下鴨泉川町―後の潺湲亭(潺湲亭の四年間;谷崎との朝食 ほか)
3 北白川仕伏町―往復書簡始まる(穏やかな里;能野家の人々 ほか)
付 谷崎潤一郎宛未発表書簡
4 鹿ケ谷法然院―アトリエ・ド・カフェの二五年(虚構の中のルール;「千萬子の手紙」 ほか)

著者等紹介

渡辺千萬子[ワタナベチマコ]
1930(昭和5)年、京都市に生まれる。1952(昭和27)年、同志社大学文学部英文学科卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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hirorin

3
『デンジャラス』を読んで、こちらへ。『デンジャラス』では、細雪の雪子のイメージを覆すというかショックなことがたくさん。本当は、どうだったんだろう?まあ、本人にしか分からないことだし、若い時と年を重ねてからでは、本人も考えや見方も変わっただろう。ただ、この本を読むと「やっぱり、おねだりが多いなあ」。昭和30年代では、今よりも、もっとディオールやスキーセットなど高価で手に入れにくかっただろう。千萬子さんは、良家のお嬢さんなのに、こんなにおねだりするんやと、びっくり。私、おねだりが出来ないから、ある意味羨ましい2025/06/05

kaoru

3
桐野夏生さんの『デンジャラス』が面白かったので読んでみました。『瘋癲老人日記』にヒントを与えた千萬子さんの知性と奔放な魅力が伝わってくる内容。橋本関雪の孫娘で、若くして複雑な家庭環境に放り込まれたのは大変だったでしょう。谷崎を魅了する教養と知性、雅な感性を備えた女性なのでしょうが、『デンジャラス』で桐野さんがどちらに軍配を挙げているかを考えると少し気の毒になります。千萬子さんの谷崎に対する過剰ともとれるおねだりや、渡辺重子さんに関する記述のそっけなさが印象に残りました。2017/07/10

たく

3
ご本人が若かったから、そして谷崎やその周囲の人に臆しない、 渡り合っていける人だったのだろうな、というエピソード満載。 花は桜魚は鯛、倚松庵の夢、往復書簡ときてこれを読んだがどれも面白い。 しかし嫁いびりこわ…2013/12/26

takao

1
祖父は日本画家2024/11/29

nekotennperu

1
2001年に出版された『谷崎潤一郎=渡辺千萬子 往復書簡』に続いて2007年に出されたエッセイ。未発表書簡が22通収められています。 著者が、ご自分の生い立ちから、谷崎家との出会い、結婚、その後、秘書的な役割を務めるようになったこと、 同居から別居になり、行き来する中で、文豪がそこで「瘋癲老人日記」の着想を得たことや、それを想像力の中でどれだけ鮮やかに、 小説として構成して行ったか、が、よくわかる内容でした。 創作者の創造する力は、現実を「こうであればもっと…」の世界に変化させる。 現実と対比することに2021/01/23

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