内容説明
「どうだい、ボガート?」―トリニダードの下町の一角ミゲル・ストリートでは、呑気なハットの挨拶で今日も一日が始まる。「名前のないモノ」ばかりつくっている大工、「世界で一番すばらしい詩」を書き続けている詩人、実は泣き虫のボクサーに、いかにもうさんくさい学者先生…「いつだって夢想家」の住人たちはみな、風変わりな、でもちょっと切ない人生を懸命に生きている。ノーベル賞作家ナイポールの事実上の処女作、約半世紀の時を経て日本に初登場。行間に漂うあたたかなユーモアとペーソスは、巨匠の知られざる魅力を存分に伝えてくれる。
著者等紹介
ナイポール,V.S.[ナイポール,V.S.][Naipaul,V.S.]
1932年カリブ海の島トリニダードに生まれる。1950年渡英。オックスフォード大学卒業後、創作活動へ。小説作品に、『自由の国にて』(1971、ブッカー賞受賞)など、エッセイに『中心の発見』(1984)、ほか多数。2001年ノーベル文学賞受賞
小沢自然[オザワシゼン]
1971年生。イギリス・エセックス大学大学院文学部博士課程修了。千葉大学文学部講師。専門は、英語圏文学、ポストコロニアル・スタディーズ
小野正嗣[オノマサツグ]
1970年生。東京大学大学院総合文化研究科博士課程満期退学。パリ第8大学文学部博士課程に留学。専門は、カリブ海のフランス語圏現代文学。自身、小説家としても活躍、著作に『水に埋もれる墓』(朝日新聞社、2001年、朝日新人文学賞受賞)、『にぎやかな湾に背負われた船』(朝日新聞社、2002年、三島由紀夫賞受賞)、ほか
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