出版社内容情報
売買婚,蓄妾,地下ポルノ,売春,女児遺棄,生活水準の向上とは裏腹に,消滅したはずの旧弊が蔓延するいまの中国.腐敗の温床となる血統主義をみすえ,気鋭の社会学者が,豊富な調査データをふまえ,家族の実態に迫る.
内容説明
官僚組織や企業を侵食するネポティズム(身びいき)。後をたたない売買婚、重婚、蓄妾。急増する性犯罪、氾濫する地下ポルノ、男児ほしさの女児遺棄。厳しい人口計画ゆえの出生性比のアンバランス。急速に進む核家族化に追いつかない高齢者福祉―経済の活性化にともなう生活水準の向上とは裏腹に消滅したはずの旧時代の悪弊が蔓延する現代中国。この腐敗と不正の温床には、中国社会を支えてきた血統主義がある。中国気鋭の家族社会学者が、豊富な家族調査のデータと報道された興味深い事例をふまえ、新しさと古さが入り混じって変わりゆく中国の家族の実像に迫る。
目次
第1章 衝撃波と反動波
第2章 根強い血統観念
第3章 遅れてきた愛情
第4章 悪習まみれの結婚
第5章 ベールに包まれた性
第6章 世代交代の悩み
第7章 離反する夫婦
第8章 分解する親子