内容説明
その大半をヒグマの研究と保護にたずさわった壮絶な人生を通して、野生と人間との共存の可能性を探る。
目次
第1章 山の神―キムンカムイと萱野茂さん(ネパールへ;のぼりべつクマ牧場 ほか)
第2章 クマ絶滅の近代史(有害獣駆除;春グマ駆除 ほか)
第3章 私たちの挑戦(北大クマ研;ヒグマの会 ほか)
第4章 ベアパーソン―野生との共存に向けて(国際クマ会議;アラスカ・カトマイ国立公園 ほか)
第5章 ヒグマが育てる森(ヒグマが育てる森;クマさん教室)
著者等紹介
前田菜穂子[マエダナオコ]
1948年北海道旭川市生まれ。のぼりべつクマ牧場ヒグマ博物館学芸員・学術課長。室蘭工業大学非常勤講師。北海道大学非常勤講師。ヒグマの会事務局。日本クマネットワーク会員。国際クマ協会会員。1975年北海道大学理学部生物学科動物学専攻を卒業と同時に、のぼりべつクマ牧場に飼育係として入社。1979年「ヒグマの会」を結成。1984年ヒグマ博物館建設、学芸員、学術課長として現在に至る。1997年「自然林再生ネットワーク」結成。同年「クマさん教室」開校(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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そのあとに続く
7
ながい間、害獣として見られ共存など夢想でしかなかった熊。近年たびたび人里に出没する要因や、数多くの人間の無知に起因する恐怖心を解きほぐす事に熱心な著者の自分史も交えながら共生の道を示す。国の林業に対する無理解こそ、本来の生息地を壊し、望ましくない状況を招いた面は否定できない。また、山に入った人間の生ゴミ投棄など干渉も嘆息する。オオカミが辿った道をなぞらなければいいが、そこまで人は愚かでないことを願うばかり。2015/10/07
fubuki
3
図書館で借りた本。前田菜穂子氏って、こんな経歴の持ち主だったんだ、と驚きと尊敬を持って読み終えた。ヒグマとの共存は、古くて新しい問題。そこにずっと以前から取り組んでおられて、様々な提言を発信されている。札幌は昨秋、随分とヒグマ出没に悩まされた。それも多くは、ヒグマを知るための教育の希薄さからくること。学校教育はもとより、家庭での教育もいかに大事かと考えさせられた。外国では絶滅させられた国もある。居なくなってからでは遅い。自分たちの手で、この「島」の環境を維持していかなければならない。2012/01/03
球子
0
食べ物を放置しない。当たり前のことが出来るか出来ないか・・・なんだよね。2017/10/14
けい
0
情緒的な文章だった。北海道においてどのようなヒグマ対策(駆除・保護)がなされていたのか、その大枠を知った。北大クマ研の発足など、ヒグマに関係する組織についても知った。なぜヒグマが大事なのか?生態学的観点、ヒト社会との関係性からそれを理解するには他の本を頼りたい。2013/01/27
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