出版社内容情報
人口爆発,環境問題,有機農業,遺伝子組み換え食品,「定年後」の生き方としての農業指向,など農業への関心が高まるなか,農学には何ができるのか.著者30年の研究と教育の蓄積を「農学原論」として集大成した力作.
内容説明
国際分業と都市化のもとで農業の荒廃が進む一方、逆に農業への関心も強まっている。人口爆発、環境問題、有機農業、遺伝子組換え食品、「定年後」の生き方としての農業指向、等々。こうしたなかで農業をどうしたらよいのか、そして農学には何ができるのか―。著者30年の研究と教育の蓄積を“場”の「農学原論」として集大成した力作。
目次
第1章 農学原論とは何か
第2章 農業における人間と自然
第3章 現代農学の展開と価値目標
第4章 農林水産業と経済
第5章 農林業と生態環境
第6章 農業・農村と生活
第7章 持続的農村地域の形成―総合的価値の追求
第8章 都市と農村の結合
第9章 農業技術の革新と普及
第10章 農学の特質と研究方法および体系
終章 要約と展望
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アナクマ
27
生きていく場所としての農学/哲学という立場から。辞典的、大きなテーマにひかれる。◉3章.終章。農学の使命。技術・経済・社会的問題の解決を通して人々の安寧と幸福に貢献すること。また、トレードオフの関係にある3つの価値、経済・生態環境・生活の調和的な(困難な)実現に挑むものでもある。◉6章。活発な集落では伝統行事、スポーツ系比率は相対的に低く、その他の多様な活動が高い。なんでもありの自主的活動が肝要らしい。◉農村は「楽しい場所へと懸命に生活を再編成していく開放系地縁社会へと再編存続するだろう」2019/05/25
壱萬参仟縁
5
祖田先生からは、確か、15年前に農業簿記研修の場でご講義いただいたことを思い出す。農学にも哲学のような分野があることを知った。現代では、哲学者の内山節氏のような感じを受ける。いうなれば、農業の哲学、農業の地理学、農業の経済学、農政学のような感じもする、こうした分野を統合、体系化しようと試み得ているような印象を受ける。農学の共通認識を得るためのテキストの位置づけからすれば、経済学や経営学、社会学を農村を舞台に研究する者にとっても、森的な全体像を鳥瞰する必要のあるとき、辞書的に参照する機能があると思われた。2012/11/24
sk
4
農業が基礎から分かる体系書。分野横断的で射程が広い。おすすめ。2014/01/24
千日紅
3
農学原論は農学の哲学であり、「…①農学史、②農学の価値目標、③農業・農村の本質と問題の解明、④問題解決に向けた農学の方法と体系、に関する学(3頁)」である。専門分野の細分化が問題になっているが、本書はその真逆をいっている。様々な分野の文献を引用しつつ、自分の論をたてているのがすごい。2014/06/09
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