出版社内容情報
第二次世界大戦の体験を背に,人間と宇宙を壮大な手法で描き出した戦後文学の旗手たち.転換の複雑さにおいて類を見ない高度成長期を彩る作家群像.40余年の時代を通底する廃墟の中に光を見つめる,戦後文学の透視図.
内容説明
カナダ、モントリオール大学。その講義に参集した学生たちが目を瞠り魅了された白熱の戦後文学論。
目次
1部 焼跡の共和国(廃墟からの出発;焼跡の聖者たち;石川淳の『黄金伝説』と『焼跡のイエス』;田村泰次郎の『肉体の門』;『下町』あるいは林芙美子における戦争未亡人について;焼跡の美学―坂口安吾の『堕落論』と『白痴』;ヒロシマ―原民喜の『夏の花』と井伏鱒二の『黒い雨』;太宰治と弱者のユートピア;織田作之助と焼跡のジュリアン・ソレルたち;兵士たちの戦争;梅崎春生―『桜島』から『幻化』へ;大岡昇平の捕虜体験と戦後―『俘虜記』『野火』『武蔵野夫人』;武田泰淳の『審判』と『ひかりごけ』;野間宏―『暗い絵』から全体小説へ)
2部 高度成長期の小説(1960年代の転換;テロリスムにさらされた文学;深沢七郎と『風流夢譚』;大江健三郎と『セヴンティーン』;川端康成と三島由紀夫;アメリカの影;「家」の崩壊とアメリカ―小島信夫の『抱擁家族』を中心に;大江健三郎と戦後価値―結論にかえて)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
たかのす
1
1984年にカナダのモントリオール大学で行われた、日本戦後史・戦後文学史に関する講義をまとめたもの。著者はフランス文学者。フランス語で出版された後、加筆修正して日本語で出版。 終戦から50年代までの第1部と、60年代(高度経済成長期)についての第2部からなる。文学史的には、1部で無頼派と第一次戦後派、2部で川端、三島、大江がおもに語られている。 外国での講義ということで、初歩的な戦後史と共に文学史や作家が概観できる内容。所々で、日本とフランス語圏との作家像や歴史観の差異が窺えて面白い。2013/05/04
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