出版社内容情報
資本主義の運命をドラスティックにたどったドイツ近代.倫理的経済的ジレンマに立たされ,ブルジョワ民主主義かナチ支持か,その政治表現を分けた手工業者層.その構造を歴史的概念として明確にし,丹念に検証する労作.
内容説明
三月革命を経て資本主義の運命をドラスティックにたどったドイツ近代。倫理的経済的ジレンマに立たされた中小経営層は恐慌期に自ら解体し、ブルジョア民主主義とナチ支持へとその政治的表現を分けてゆく。歴史的概念としての「手工業者」層を丹念に検証しつつ、ドイツ資本主義を根底から支えた精神と構造を綿密にたどる労作。
目次
1 資本主義の転換と中小ブルジョアジー
2 第一次大戦前における中小ブルジョアジー(中小産業資本の形成と発展;小ブルジョアの労働者化;ドイツの「市場問題」;中小ブルジョアジーの社会的動向)
3 資本主義の構造転化―第一次大戦後の転換の時代認識(資本主義構造転化論争;階級形成と社会的移動をめぐる論争)
4 中小ブルジョアジーの危機―第一次大戦後(ワイマール期における中小資本の展開と危機;中小経営者の直面する問題)
5 三月革命からナチズムへ(中小ブルジョアジーの「反資本主義」とナチズムへの傾斜;三月革命―その挫折からナチズムへ)