内容説明
窪田空穂ははじめ与謝野鉄幹に迎えられて『明星』で活躍、やがてキリスト教および自然主義との運命的な出会いを経て、明治・大正期の沸騰する文学界に独自の短歌・創作・学芸の道を切り開いた。著者は、空穂の創造的生涯に深く参入して、その内部構造を明らかにする。それは同時に、広く近代詩歌史を照射する見事な批評的還元作用でもある。
目次
窪田空穂との出会い
空穂の世界―序説的な概観
窪田空穂の出発
空穂の受洗と初期詩歌
空穂歌論の構造
空穂の古典批評
空穂の長歌「捕虜の死」と大戦
長歌に見る歌人空穂の本質
空穂秀歌選1―長歌15首
空穂秀歌選2―短歌100首