出版社内容情報
二つの文学的世代の間でかわされた真摯な応答.知られざる思考の形とは,絶対の自由とは,意識の深淵とは.資質と方法を異にする言葉の水路は,互いに触発し合い,思いがけぬ方向にあふれた.書簡による新鮮な出会い.
内容説明
われわれはどこに行くのか。自由な思索の冒険者と精密な内部の探究者が挑む、シナリオのない対話のドラマ。〈存在の総顛覆〉は〈最後の審判〉か?
目次
永生と永死
想像力による復権
夢想と想像力
現世の永遠の生命
未知のヴィジョン
可能性または不可能性としてのムイシュキンの深淵
対峙する空間
共存する二つの光
事実と真実と誤認
大難所越え
宇宙の力の量と質
招かれる原言語希求者
非在とのっぺらぼう
私は運ばれる
出現と未出現と私
鸛の声
無出現者の永劫夢
人間でなくなる
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アレカヤシ
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(ひとりの人間が他の人間の「事実」を知ることは、絶対不可能だという恐ろしい事実)7 (人間は駱駝に自分の声を聞き勝ちになるのです・・・〈ヒューマン〉な声を聞いてしまうのです。そこにも勿論駱駝ならではの響きはあるでしょう。しかしいつも自己中心的な人間は自分になぞらえた〈駱駝言語〉しか聞かないのです)112 全存在は一つの宇宙、同じ源から湧きだしたもののように思えるのに、他者のことが分からないのは何故なのか。この1ヶ月、一頭の水牛の〈源言語〉を聞き取ろうと苦心してるけど、とても叶わないことを思いながら読んだ。2018/09/17