出版社内容情報
朝鮮戦争体験による虚無主義の色濃い50年代文学から,四月革命世代による60年代の参与文学を経て,急激な経済成長下で疎外される農民・労働者をテーマとする70年代文学まで韓国文学の傑作を精選した初の本格的選集.
内容説明
1945年以降1970年代までの韓国文学の傑作を精選した初の本格的選集。朝鮮戦争の体験による虚無主義の色濃い50年文学、四月革命の主体となった世代による60年代の社会参与文学、急激な経済成長の裏で疎外される農民・労働者をメインテーマとする70年代文学―骨太なユーモアに満ちた政治諷刺の作品から軽妙なタッチで小市民の暮らしを描く作品まで、本邦初訳6篇を含む19篇の傑作短篇を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かんやん
25
50年代初頭から70年代後半まで、19の短編(女性は一人だけ!)。朝鮮戦争、対日協力、裏切り、済州島事件、労働争議、陰謀、農村の貧困……韓国激動の現代史と簡単には括ってほしくない。名前を聞いたことがあるのはチョ・セヒ一人だけであるが、時代が時代なら国際的な文学賞を受賞してもおかしくない実力の作家がゾロゾロいる。逮捕されたり、作品が発禁になったり、常時監視下に置かれていた作家もいる。自分としては、抒情的、感傷的なものより、地に足のついた逞しい庶民をユーモラスに描いた作品に惹かれる。2021/03/06
べらし
1
常に情況が不条理な国に於いてはあらゆる物語はすべからくSFみを帯びてくる2023/09/09