内容説明
透徹したまなざしで時代を生き抜いた人びとの語る言葉は、学ぶべきことに満ちている。昭和史がたどった道すじから、今、聴いておかねばならないこと、体験のなかに息づく大切なものを次世代に手渡すために、作家が人生の先輩を訪ねる七つの対話。
目次
女たちが地球をまもる―住井すゑ
昭和史をふりかえる―松本重治
苦労を泣かせるな―丸岡秀子
法律家の良心とは―伊達秋雄
幕間の時と人―山本安英
子供たちへの願い―佐藤忠良
じじばばのひとこと―丸木位里・丸木俊
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
michi
1
★★★★ これは読んでおいて良かった。激動の昭和を生きた八名と著者が対話する。共通するのは戦争体験であり、二度と戦争が起きてはならないという思い。しかし、この対話が行われた中曽根政権時代はまた戦争に向かっていくような不穏さがあったようで、それは平成にも繋がっているのだと思った。「橋のない川」の住井すゑさんの話は私にはショッキングでとても興味深かった。2020/03/29
kitakama633
0
大切な一冊です。共通しているのは先の戦争への反省。p.233「せんじつめれば、日本が先端を切り開いてからのいろんな経緯の15年戦争の代償として僕たちはシベリアに行ったのだと思います」国家が始めた戦争の結果を、結局国家として何も顧みないままでよいのか。2019/02/19