出版社内容情報
現代を代表する作家・批評家として世界的に著名な著者が,小説の特質と物語の読み方をめぐる考察を通して,フィクションとは何か,文学の魅力とは何かを,豊富に作品引用を交えながら平易に語り明かした文芸入門.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Mark.jr
4
この手の文学講義は色々ありますが、エーコのはひたすら小説における読者と作者の関係性に主眼を置いていて面白いです。2024/08/04
ゆーいちろー
2
メディア・リテラシーという個人的にはどうも胡散臭いとしか思えない言葉を耳にするようになった…さて本書は物語とどう付き合えばいいのかということについて書かれた本である。物語の構造、読者論、虚構と現実の関係…およそ読書行為に関心がある人間には、興味深いテーマである。しかし近頃の、例えば某大新聞の誤報?捏造?などという出来事を体験した後だと、俄然面白く感じるのが最終講の「虚構の議定書」である。人は良くも悪くも物語を作り、それに踊らされるものである。ならば本書は虚ろな学術書ではなく、現実に対するための実用書だ。2015/05/21
shostakovich
2
エコならではの小説テキストの読み方に刺激を受けます。作者視点ではなく、あくまで読者視点に立った「読み」のダイナミクスの顕在化が試みられています。さらに、本書はタイトルのとおり「講義」であり、講義録から起こされた文章のため言い回しも平明で、『記号論』でエコを読むのに挫折した人にも広く受け入れられるでしょう。エコが講義をしている、そのライヴ感覚まで感じ取ることができるようです。『物語における読者』『開かれた作品』の中間に位置するような一冊です。1999/01/01
雨彦
1
よりよい読書のため、中級読者へとレベルアップするために。大学での講義をもとにしているので、記号論、ポストモダン……などという専門的な知識がなくてもすいすい読めるだろう。2013/07/04
Hard-boiled
0
基本だ。2013/05/08