出版社内容情報
南欧に拡大したカタリ派は,その信仰の運命を膨大な異端審問録に残した.象徴的な世界観,教会批判,禁欲と儀礼の細目など一次史料を徹底して解読,中世の心性に光をあてた労作.
内容説明
ヨーロッパ社会を大きく揺るがしたカタリ派の運動とアルビジョア十字軍。南欧に拡大したカタリ派は異端宣告を受け、その信仰のたどった運命を膨大な異端審問録に残した。象徴的な世界観、教会批判、禁欲と儀礼の細目や分派の系譜―入手しうる一次資料を徹底して解読し中世社会のマンタリテに光をあてる、中世史研究の到達点を示す労作。
目次
第1部 カタリ派の輪郭(諸教団の分布;分裂と展開;穏和派と絶対派;絶対派の内部分派;穏和派の内部分裂;救済の構造;源流と継受;「山の彼方の司教」と謎の教団)
第2部 南フランスのカタリ派(禁欲の戒律;行動の様態;南フランス教団の出現;展開と受容の範囲;教団の構造;カタリ派と社会の接線)