異端カタリ派の研究―中世南フランスの歴史と信仰

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  • サイズ A5判/ページ数 464,/高さ 22X16cm
  • 商品コード 9784000001298
  • NDC分類 192.3
  • Cコード C3022

出版社内容情報

南欧に拡大したカタリ派は,その信仰の運命を膨大な異端審問録に残した.象徴的な世界観,教会批判,禁欲と儀礼の細目など一次史料を徹底して解読,中世の心性に光をあてた労作.

内容説明

ヨーロッパ社会を大きく揺るがしたカタリ派の運動とアルビジョア十字軍。南欧に拡大したカタリ派は異端宣告を受け、その信仰のたどった運命を膨大な異端審問録に残した。象徴的な世界観、教会批判、禁欲と儀礼の細目や分派の系譜―入手しうる一次資料を徹底して解読し中世社会のマンタリテに光をあてる、中世史研究の到達点を示す労作。

目次

第1部 カタリ派の輪郭(諸教団の分布;分裂と展開;穏和派と絶対派;絶対派の内部分派;穏和派の内部分裂;救済の構造;源流と継受;「山の彼方の司教」と謎の教団)
第2部 南フランスのカタリ派(禁欲の戒律;行動の様態;南フランス教団の出現;展開と受容の範囲;教団の構造;カタリ派と社会の接線)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

4
異端カタリ派の普及を異端繁栄の周辺地域の文化的側面も視野に入れて書かれたもの。カタリ派の教義について仔細に語るというより、いかにして彼らが勢力を築いたのか、その伝来はどこかということに重点をおいていたので、私的には残念だった。彼ら特有のキリスト教二元論が読みたかったので。なので、そういう専門的な文化的側面に興味がある人であれば楽しめるのではないでしょうか。カタリ派教義については期待した方向性ではなかったのもの引用からカタリ派の考え方をずいぶんと覗けました。原文が載っているのはいいですね。2010/11/07

陽香

0
198905252012/12/17

中村禎史

0
面白かった。何故なのか、問いかけてゆく過程を筆者と共に追いかけているようだった。 現世否定・肉欲否定・カトリック教会権威否定・「良き臨終を」望むカタリ派の教義、カタリの源を東欧キリスト教異端に求める過程、イタリアでの宗派の分裂、南仏カタリ教団間の地理的境界を定めた会議記録「宗会要録」の真偽を問う過程、カタリ派支持者の階層分布の推定など、大変面白かった。但し、筆者が何度も提出していた問題意識:何故南仏にカタリは広範に受容されたのか、については、結論に弱いものを感じた。最新の研究成果を見てみたい。2011/04/23

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