内容説明
「市民社会の解剖学」として構想されたマルクスの経済理論は、現代社会分析の理論としてなお有効だろうか。古典派・新古典派経済学と明確に対立する『資本論』の特質を「貨幣」を鍵概念として再構成し、生産・交換・分配という経済学の基本概念を今日的視点から検討する。アルチュセールによって拓かれた現代フランス経済学の到達点。マルクス経済学へのユニークな入門書。
目次
序説 なぜ資本主義に2つの理論があるのか
第1部 資本主義の「政済経済学」―自然法則(新古典派の資本主義理論―需要と供給;古典派の資本主義理論―利潤率)
第2部 マルクスと資本主義―現存社会の理論(歴史の理論―社会性の問題;資本主義の特種性―独立した個人の同等化としての市場交換;資本―自己を再生産する社会関係)