出版社内容情報
砂に半分埋もれかけたかのような別荘「万砂楼」。そのラウンジに集う男と女。それぞれにそれぞれが言葉を紡ぎきれぬまま、出入りをくり返していく。夕陽が沈むまで、あと1時間……。
岸田國士演劇賞(蒲団と達磨)、紀伊国屋演劇賞個人賞(こわれゆく男/鳩を飼う姉妹)、読売文学賞(テレビ・デイズ)、アカデミー賞脚本賞(映画・東京日和)と、脚本界における賞を総ナメにした岩松了の96年プロデュース公演、書きおろし脚本。
傘とサンダル
あとがき
「傘とサンダル」上演記録
岩松了は役者でもある。映画やテレビを見ていると突然、岩松了が出てきてびっくりすることがある。
「竹中直人の会」公演では、主演の竹中直人と岩松了だけがレギュラー出演している。
映画のシナリオも書く。『東京日和』で、日本アカデミー賞脚本賞をとってしまっている。
エッセイも書く。パチンコの話が多い。負けたときの話が多いが、その原稿料はおそらく軍資金になって消え、またエッセイのネタが生まれる、とうまく回っているのかもしれない。
そして、演出家・劇作家で、この『傘とサンダル』という名作も
書いてしまったのである。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
モルテン
3
砂丘に建つ、写真家の別荘を舞台にした戯曲。別荘の持ち主の写真家は数か月前に死に、この別荘も他の人の手に渡る。最後の思い出にと、その写真家を中心にした「海に沈む夕陽を撮る会」のメンバーが別荘に集まる。別荘の中二階で繰り広げられる人間模様――。えーと、「舞台外で起きている何か(とてもエゲツナイこと)」を、舞台上の人物の台詞だけで観客に想像させる岩松了の手腕をたっぷり楽しめる一作。盲目の女性が一人おり、彼女に見られないこと・知られないことを意識した話が続く。しかし、登場人物が多く、把握するのに苦労した。2014/07/27
酢
0
岩松了お得意の人間関係の煮詰まりを描くのに、「砂丘の中にそびえ立つ有名写真家のアトリエ」という舞台設定はあまりに劇的で、使い勝手が悪そうに感じた。基本的には群像劇、次第に狂騒が舞台中を覆っていく趣向は名作『アイスクリームマン』とも被る。ただ、今作は人数を持て余し気味な印象。出ハケのタイミングの妙も一段落ちるかなあ。 それでも対立関係が明確になる後半はやはり面白い。仄めかされる三角関係には大興奮。リアルで見たらめちゃくちゃ面白いんだろうなと想像が膨らんだ。2022/02/03
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