出版社内容情報
平安の装束に見られる重色目及び襲色目の配色をビジュアルに明らかにした名著。色票見本48色付。
内容説明
かさねの色目は、もと一枚の袷(あわせ)仕立ての衣(袿・うちき)の裏表の裂を合わせた色を言ったが、後にはその衣を幾領も着装して表される衣色の配合色も「かさねの色目」と呼ぶようになった。本書は、その両者の色彩配合をとりあげたもので、前者には「重」、後者には「襲」の文字を用いて260余種を解説している。あわせてトーン分類一覧表・参考文献なども多彩に収録。
目次
かさねの色目 色票
1 総説(重色目と襲色目について;女房装束各部の衣について;衣に表わされる文様・地質)
2 各説(色票に掲載の重色目の解説;重色目の別説一覧表;襲色目に関する『満佐須計装束抄』・『女官飾鈔』・『曇華院殿装束抄』の所説と解説一覧表;重・襲の色目の配色に用いられる染・織色基本色の歴史的解説;色票に掲載の重色目一二〇種の表・裏色による配色の色相別・トーン別分類一覧表;参考文献)
著者等紹介
長崎盛輝[ナガサキセイキ]
明治45年(1912)高知県安芸町に生まれる。京都市立絵画専門学校(現京都市立芸術大学)図案科卒業。専攻日本色彩芸術史。京都市立芸術大学名誉教授、嵯峨美術短期大学教授、奈良教育大学院講師。日本色彩学会・日本風俗史学会会員。昭和60年(1985)勲三等瑞宝章を受ける。平成7年(1995)没
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感想・レビュー
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ゆずきゃらめる*平安時代とお花♪
14
平安時代モノにはまって十二単や束帯の色などの参考に♪想像するだけでも綺麗✿もう一度借りたい!2015/09/26
凪子
5
女房装束の襲と色目が詳しく載っていて嬉しい。しかもカラーで!襲の由来も解説が記載されていて本当にお得。今ではファッションというとデザイン性(衣服の形やシルエット)と布地や柄が重視されていて、配色に対して当時より鈍感かもしれない。風流に花の名前をつけた襲の色目。四季と意味を閉じ込めたようでとても美しい。 2017/06/29
ホレイシア
4
「源氏」を読むとき手元にあると便利。ただ眺めていても、昔の人の言葉遊びの妙が楽しい。
shou
3
平安装束の色合わせ辞典。女房装束についての記載が嬉しい。色名解説には由来、季節、時代、出典があり、色調分布の表類も収録。「裏梅」「裏山吹」など花を裏から見た色合いなんて発想が面白い。2014/04/29
高久
1
まず最初にずらりと並んだ色の見本から、平安時代の貴族の色彩センスに脱帽する思いがあります。これだけでも買って良かったと思える本。各色目の季節や年齢等の解説が本文のほとんどですが、重ねることで表から見える色をかんがみて裏表の配置を決め、襟袖口の重ねかたを決めていたのかと思うととんでもない。どれほど植物を注視したらこんな表現がでてくるんだろう。2025/03/08