内容説明
テロルは権力の弱さから発し、一度始められた強制と暴力の支配はやがて権力の統制から外れ、それ自体の論理で動きだす。またこのテロルがモスクワ国家の政治文化に与えた影響の大きさ。さらに十六世紀に決定的になった政治的伝統は今日にいたるまで認められる…著者スクルィンニコフによって描き出される矛盾に満ちた人物イヴァン雷帝とその時代は、今日と将来のロシアを考えるうえにおいても貴重な示唆を与え続ける。
目次
七人貴族会議…
女君エレーナ・グリンスカヤ…
イヴァンの幼年時代…
ツァーリの称号…
モスクワ暴動…
初期の諸改革…
カザン征服…
陰謀の時代…
後期の諸改革…
リヴォニア争奪戦争…
アダーシェフの退場…
ポロツク攻略…
貴族との反目…
クールプスキーの裏切…
オプリーチニナ勅令…
オプリーチニナの恐怖…
全国会議…
ゼームシチナ反対派の壊滅…
テロル…
大荒廃の始まり〔ほか〕