ナツェラットの男

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  • サイズ B6判/ページ数 317p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784906791170
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

内容説明

大地の匂いと人の息づかいの中に、新しい色彩をまとってイエスの物語がよみがえった。「ケセン語訳聖書」の訳業を踏まえた、福音書の新たな読み。

著者等紹介

山浦玄嗣[ヤマウラハルツグ]
1940年、東京市大森区山王の生まれ。生後すぐ岩手県に移住し、大船渡市で育つ。医師・言語学者・詩人・物語作家。故郷の大船渡市、陸前高田市、住田町、釜石市唐丹町(旧気仙郡)一円に生きている言葉、ケセン語を探究する。掘り起こされた、その東北の言語を土台として、新約聖書を原語ギリシャ語から翻訳した「ケセン語訳新約聖書四福音書」で知られる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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Koning

27
ケセン語訳の山浦による福音書再話。上っ面だけでなく血肉になるまで聖書に親しんでるなーという感じ。よく知られるエピソードを弟子や関わり合った人たちが語るスタイルで描かれる。良きサマリア人の話なんかうわーとか思ってたら最後ユダの解釈は本当にやられた!という感じ。マルコ的素朴なガリラヤの男達とかよございます。ある意味大胆な解釈と言われそうな感じのあれこれが多いんだけど、実は真っ当な解釈だと思うんだ。って感じでこれはおすすめしといていいと思う。2016/07/14

梟をめぐる読書

9
『ケセン訳聖書』の山浦玄嗣先生による、使途たちによって神格化される以前の「ナツェラットの男」の姿を描いたイエス言行録。イエス・キリストの影響力を考える際に疎かにされがちな彼自身の人柄の魅力(超越者でもなく、粗忽な田舎者でもなく)が、口述的な語りの筆記を通して活き活きと伝わってくる。福音書中に見られる「奇跡の場面」の多くは解体され、さも実際にあったかのような出来事に変えられているのだが、それがどのように弟子たちの目に映り、脚色されていったのかが想像できるのが楽しい。ユダ裏切りの解釈は「そう来たか!」と。2013/09/27

Viola

7
ケセン語聖書の執筆者が書く、新しい切り口の聖書物語。面白かった。キリストの生きた時代に、生活感と人間味を持って読者をワープさせるような生き生きした語り口。マリアは太っ腹母ちゃんだし、イエスは無骨な大男、日に焼けて冗談がうまい。絵画か紙芝居の世界が3Dで再現されたかのように浮き上がって見える。登場人物も人間味溢れて魅力的だ。どのエピソードも聖書を基にその内側をあばくように秀逸な解釈を加える。木に登るザアカイのエピソードはこどもに語られるほど有名なのに、不覚にも涙。そして、この物語でユダが救われて嬉しい。 2015/11/01

saba

2
新約聖書を物語風に書いた話。ベースの解釈は「イエシュー=イエスは人の子」に立っている。文体が柔らかく軽くて盛り上がりは今一つなのだけれど、聖書の世界にも実際生きていたのは人なのだし、こんな風だったのかなと思われるのは面白い。「よくよくあなたがたに言っておく」なんて口調ではないよね流石に。2020/02/07

satoshi

2
全編を貫く山浦先生の暖かく優しいまなざし。2015年もあと10日だけど、ここに来て今年の最高の一冊に出会えました。2015/12/20

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