内容説明
古代では袴垂や藤原保輔、近世なら石川五右衛門や鼠小僧次郎吉。歴史に登場する有名無名、無数の盗賊にまつわる史料を拾い集め、興味つきないエピソードを満載。
目次
1 王朝盗賊物語―古代社会(さまざまな盗人たち;男と女 ほか)
2 盗みは死刑―中世社会(『古今著聞集』から;眼には眼を、歯には歯を ほか)
3 十両以上は死罪―近世社会(初期の盗賊たち;十両盗めば死罪 ほか)
4 犯罪の近代化(開化と盗賊;説教強盗 ほか)
5 盗賊論(貧しさのゆえに;風土論)
著者等紹介
阿部猛[アベタケシ]
1927年山形県に生まれる。1951年東京文理科大学史学科卒業。北海道教育大学、東京学芸大学、帝京大学に勤務。東京学芸大学名誉教授、文学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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姉勤
10
看板倒れの史料のエピソード集。各章を分ける意味も希薄で、挙げてあるエピソードも起承転結になっておらず(出典がそうだとしても)だらだらと小エピソードが羅列されるだけ。本人もあとがきの最後で「趣味に従って資料を並べたに過ぎず」と白状しており、それなら、まえがきの最初に書いておけと思う。学者の小遣い稼ぎのためだけ本です。2012/12/03
コオロ
2
文献に残る盗賊のミニエピソードを蒐集した本。袴垂とかピス健とか知ってる人が出てくるとちょっと嬉しい。日本史、つってんのに、最後の熱い孔子ディスが一番印象に残る。新しい言葉を勝手に作るのはイカサマ師、そーですね!2023/07/23
たにし
0
昔の話は史実というより、坊さんの法話や子どもを寝かすときの物語に類するものが多いのかな。凶悪事件が多いけど、やっぱり今の時代に生まれて良かった、と思ってしまう。2012/11/09
misui
0
古今の盗賊や泥棒の話を集めました本。時折思い出したようにコメントが入るけど、せっかくだからきちんと論じてほしかった。私見では、仏教の威徳を宣伝する仏教説話から庶民の精神生活を垣間見せる義賊伝説etc...へと移り変わっていった感じ。明治以降のほうが変な脚色がなくて(いやあるんだろうけど)面白い。2009/09/05
Kotaro Hayashi
0
日本人で結構猥雑なんだなって思った。軽いノリで盗みをするからだ。しかもかなり頭が働き手の込んだ事をやる。 これが日本人の本当の姿の1つかもしれないと思った。 もちろん、手本にはなれないけど、でもこういう一面もあるという事は忘れてはいけないと思う。 2018/08/10