内容説明
ヨーロッパ世界のイスラム勢力に対する最大の防御拠点ともいえたコンスタンティノープル。この要塞都市を陥落させ、東ローマ帝国(ビザンティン帝国)の歴史に終止符を打ったのが、オスマン・トルコ帝国であった。小アジアでオスマン・ベイを祖として興ったこの国は、途中国内分裂の憂き目に会うも、ビザンティン帝国、エジプトのマムルーク朝などを次々に征服。イスラム国家の防衛を担う一大帝国をつくりあげ、ヨーロッパ諸国にとって最大の脅威となった。本書では、オスマン軍の約500年間の推移を見ることができる。オスマン軍を代表する歩兵精鋭部隊イエニチェリから属国の軍隊までも網羅し、人数、役割、武装について密に解説している本書は、イスラム世界の一大軍事機構および、彼らの実像を把握できる1冊である。
目次
ガージーの国家
14~16世紀のオスマン朝軍
軍制改革への苦闘:17~18世紀
武器・防具・要塞・艦隊
オスマン朝盛衰年表
戦役と戦闘
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サアベドラ
1
黎明期から最盛期にかけてのオスマントルコの軍装解説。初期のガージーからシパーヒー、イェニチェリ、外国人部隊(グルジアなど)まで様々な兵士を見ることができる。個人的には、もっとイェニチェリを載せて欲しかったですけどね。このページ数でオスマン帝国軍を網羅するのはさすがになかなかキツイ。もっとちゃんとした本で読みたいけど、洋書で探すしかないですね。
スカイバニラ
1
テュフェクチ銃兵の持つ銃の形が美しい(笑)。18世紀頃のオスマン・トルコの軍隊を知ることができる貴重な本です。2009/12/12
ての字
0
この画家の絵は好みだったためもあって、見てるだけでも楽しい(絵)本ですが、巻末の図版の多い解説、年表もためになります。タイトルどおり解説内容は武器・戦術の類がメインですが、建築物にも触れられています。2009/11/13