内容説明
本書は中世ヨーロッパを生きた騎士のことを書いています。資料としてではなく、中世ヨーロッパと騎士の姿をおぼろげながらでも、知っていただくために書きました。その手法として、1165年という中世盛期のほぼど真ん中にフランスで生まれた架空の人物ジェラールを案内役として、騎士の姿を語っていきます。フランスを舞台としたのは、フランスが封建騎士を誕生させた国だということによります。
目次
誕生
守護聖人
騎士の守護聖人
暦
洗礼
宴会
階級
戦士貴族
ケルト
ローマ
出陣
誓い
フランス
カペー朝
えにしだの帝国
従士〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
びっぐすとん
19
図書館本。TRUTH IN FANTASYシリーズ。タイトルから「アーサー王」とか「ニーベルンゲンの歌」なんかの本を想像したが、中身は12世紀のフランスの騎士の生き方とはどんなものかというのを、架空の騎士ジェラールの一生を当時の歴史の解説を交えながら辿るものだった。この辺りの西洋史があやふやだったので面白かった。三圃農法とか習ったな。生産力が向上してきてそれ以前に比べれば生活の水準が上がったとはいえ、現代から見ればまだまだ原始的、ローマ時代以降の暗黒期を抜けきってないような暮らしぶりが興味深い。2021/04/20
ようはん
6
思った以上に内容が充実。中世ヨーロッパの社会や騎士に関して知る為の入門書としては良いと思った。2019/11/09
袖崎いたる
5
架空の人物なれど、資料を渉猟して中世ヨーロッパ当時に生を受けたジェラールという男の人生を追う形で、騎士の文化ならびにその周辺事情などを述べていくスタイル。生々しくまはないけれども、淡々とした説明で中世における騎士身分であるということがわかる。ぼくとしては、気になるのは風俗面であった。特に排泄事情なんかはここの所のぼくの興味なので、藁でいたした後を拭くという記述には感動を覚えた。それと体臭である。貴族といえど月に二度程度の入浴だったらしいから、あらゆるロマンスにも悪臭が付き物だったのだろうな。2015/07/03
いっちょかみ
0
何よりも表紙の騎士が良い顔してる。
こず。
0
楯紋を見れば家格の上下関係がわかるようになっているのか。日本でいう家紋自体が家系図になっている感じでしょうか。楯紋を実際にお目にかかる機会はなかなか無いとは思いますが、旅行に行ったりTVで偶然見かけたりした時に家格の力関係を意識して見てみると面白いかもしれない。2012/05/11