内容説明
ポーリーンに連れられてクララと麟一郎が向かった二千年後の未来は、白人女権専制社会である宇宙帝国イースが支配していた。そこでヤプーは生体手術などの加工を施され、道具として扱われていた。人間椅子、肉便器(セッチン)、畜人犬(ヤップ・ドッグ)、自慰用具の舌人形(カニリンガ)や唇人形(ペニリンガ)…。想像を絶する世界にさまよいこんだ二人の運命は?反ユートピア小説の金字塔、第二巻。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おたま
47
第一巻同様に、2000年後のイース(EHS=The Empire of Hundred Suns百太陽帝国)社会の機構や制度、その中での家畜人ヤプーの生態、歴史等が事細かに、執拗に描き出されていく。今回の中心は、クララとともに20世紀世界から円盤で連れ去られた日本人・瀬部麟一郎が、イース社会においては、原ヤプーとして次第に家畜人たるべく調教されていく様子が描かれる。これは端的に言うと、飴と鞭。心身の能力を拷問のような検査によって査定され、全裸で檻の中に入れられて、誤って去勢までされてしまう。→2022/07/13
Bugsy Malone
47
未来世界イースに於いて麟一郎とクララの運命は別れる。イース人として順応して行くクララ。遂にそのクララの私有家畜となってしまう麟一郎。そして登場する天照大御神。物語は日本神話の誕生の謎までもをはらみつつ3巻へ。2015/10/25
ヨクト
14
人種のヒエラルキーの中で、白人と日本人(ヤプー)の違いが如実に示される。白人はヤプーに憐れみや同情を感じることはなく、ただそこにある物として認識する。すでに者ではなく物であるし、生まれた瞬間からヤプーは人間ではないという認識なのだから。物であるから、原型を留めぬほどに生体加工を施される。そこに今の日本人の姿は残っていない。2014/04/30
猫丸
10
神国ニッポンの歴史が解体されていく。このあたりの観念遊びは作者が楽しんで書いているのがよくわかる。さらに下品との接合に無理がない。解説の前田宗男氏は、戦時中の作者が皇国青年であった可能性を示唆しているが、僕自身の直観では、かなり筋金入りの神国思想の持ち主であったような気がしてならない。でないと、これだけの跳躍力が生まれるとは思えない。 読み進めるうち、自分が椅子に座ったまま oshick できないことに不自然さを感じる。なんだよ、不便だなあ。2018/07/13
浮草堂美奈
10
この小説の「本当に今さら説明するまでもないことなんだけど、読者の時代では不思議みたいだから説明しとくね」という語り口がめっちゃ好きです。 と、いうかむしろ全部好きなのですが、首枷を嵌められ床に這いつくばった状態で白人美女に鞭打たれるシーンは心が(放送禁止)2018/02/15
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