内容説明
政治、軍事、宮廷のゴシップ…。「五賢帝時代」の皇帝たちをバラエテイ豊かに描いた、貴重な伝記集。本邦初訳。
目次
ハドリアヌスの生涯(アエリウス・スパルティアヌス)
アエリウスの生涯(アエリウス・スパルティアヌス)
アントニヌス・ピウスの生涯(ユリウス・カピトリヌス)
哲学者マルクス・アントニヌスの生涯(ユリウス・カピトリヌス)
ウェルスの生涯(ユリウス・カピトリヌス)
アウィディウス・カッシウスの生涯(ウルカキウス・ガリカヌス)
著者等紹介
南川高志[ミナミカワタカシ]
京都大学大学院文学研究科教授。1955年三重県生まれ。1984年京都大学大学院文学研究科博士後期課程退学。1996年京都大学文学部助手、大阪外国語大学助教授、京都大学文学部助教授、教授を経て現職
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感想・レビュー
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roughfractus02
7
五賢帝時代に始まる本書は、皇帝の主要評伝と皇帝になれなかった者の補足評伝を含み、それらの真偽の議論も概説する注釈が付してある。というのも、本書は近代以後の歴史研究者にとって事実と虚構が混ざり合う読み物とされてきたからだ。虚偽の割合は補足評伝に多く、著者にしても複数でなく単独執筆の可能性の議論もあるという。一方factとfictionを同時に意味するfacere(作る)が著者であるような本書は、2種の評伝を織り交ぜ、群像劇的な多数の視点によって、人物たちの見えづらい背景を前景に押し出そうとするように見える。2022/07/01
刳森伸一
4
ハドリアヌス以降の皇帝とその一族の伝記集。1巻なので当然、五賢帝の一人ハドリアヌスから始まるのだが、賢帝のわりにかなり評価が低くて驚いた。それに比べて哲人皇帝哲マルクス・アントニヌスは評価が高い。ゴシップが多いと聞いていたが、それほどでもなく、思っていた以上に平凡な伝記集である。名前の間違いが多いところなどは笑ってしまうけどね。2016/02/04
白神 健吾
2
ゼミで南川高志先生の論文である「マルクス帝とマルコマンニー戦争」の内容紹介をする為に読んだ一冊。 今回は時間の都合上 マルクス伝しか読めていないのでまた、読み直したい。2015/05/19
Doederleinia berycoides
2
記述が曖昧な点があり、若干読みにくい。とはいえ、資料としては貴重なものだと思う。注釈は多め。皇帝の生い立ちや、親戚関係、事績、性格、生活等について知ることが出来て楽しい本だと思う。地図と系図も付属している。2010/08/12