内容説明
本書では、1830年の鉄道開業以来、どのような運転事故やトラブルが発生したか?その背後の社会環境は?その種の事故が再び起きないよう、物的にどのような運転保安装置が考案され、事故防止対策が採られたか?人的に駅長、機関手、信号係らの取扱いで防げなかったか?事故の減少を目的に、作業者の取扱いが、どのように変更されたか?それらの尊い事故の体験が、実際、どのように活用され、実務に生かされたか?以上、血のにじむような努力から生み出された対策が、いかに現在の運転システムに採り入れられ、今も受け継がれているか?これらの観点から、先人たちが「列車運転の安全と正確」を追い続けた努力の足跡をたどりながら、鉄道輸送の発達の過程を詳しく、かつ分かりやすく解説した。
目次
先人たちの努力の足跡
「鉄道の父」スティーブンソン登場
世界最初の旅客公共鉄道開業
輸送の安全に取り組む鉄道会社
手信号の誕生
安全の救世主、信号機の誕生
腕木信号機の誕生
GWRが鉄道界の先陣を切る
電信は鉄道の線路敷きから誕生
鉄道通信の開拓者モース〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
六点
85
鉄道マンが、入社し、研修を行う際に毎日教育される安全綱領の1は以下の如く有る「安全の確保は、輸送の生命である」。長く旧国鉄で、信号システムの構築、管理にあたった著者による、逆説的に言えば『ミスと錯誤の鉄道史』でもある。何せ、最初の人身事故は世界初の旅客鉄道開業の日に発生しているのだ。「規定の遵守」も「執務の厳正」も叩き込まれているはずなのだが、未だに世界の鉄道マンはやらかしまくっているのだ。人間が人間である限り、やらかしは無くならないだろうし、やらかしが起きればシステムが改善される。鼬ごっこの歴史である。2022/05/05
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