出版社内容情報
テレビでもグルメ番組は花盛り。ところが、料理の美味しさを伝える「味ことば」はきわめて少ない。そこで人は触覚、視覚、嗅覚その他ありとあらゆる手段を講じてなんとか伝えようとする。例えば――つつましく微笑する・深い・一流シェフの・恐ろしい・クセのある・幸せな・華やかな・丸い・とがった・四角い・ツンとした・涼しい・やかましい・天上の音楽を奏でる・白い・赤い・懐かしい、などなど。エッセイ、車内の吊り広告、グルメ雑誌、ネット、漫画などのことばの海に飛び込んで、繊細微妙な味を見分け、味分け、嗅ぎ分けた味の言語学入門。
前菜 食前のことば………………………………5
一の皿 味のことばとことばの味………瀬戸賢一 11
二の皿 味ことばを調理する……………瀬戸賢一 27
三の皿 五感で味わう……………………瀬戸賢一 62
四の皿 もっと五感で味わう……………小森道彦 79
五の皿 さらに五感で味わう……………山口治彦 120
六の皿 味ことばの隠し味………………辻本智子 156
七の皿 甘くてスウィート………………小田希望 186
八の皿 苦くてビター……………………山添秀剛 215
九の皿 味ことばの擬音語・擬態語……武藤彩加 241
箸休め(一)―(六)………………………安井 泉
デザート 食後のことば…………………………301
おもな文献…………………………………………305
シェフ紹介…………………………………………313
本書は、電通に提出したレポート「ことばは味を超える」に端を発する。二〇〇一年の六月に、味ことばの総合的な見取り図作成の依頼を受けた。学生七名と「味プロジェクトA」という組織を作り、三か月の予定で、夏休みを全面的に活用して集中的な調査と分析をおこなった。
今回は、メンバーをがらりと入れ替えて、新たな構想のもとに、食客としても論客としても料理人としてもなかなかうるさい人を揃えた。味に奥行きと深みと独特の旨味がでていれば、各シェフの腕前によるものである。注文の多い編者の求めにも、よく応えてもらった。本書が、たんなる食エッセーを超えて、ことばの側からの本格的な味の探究のきっかけとなれば、編集の労は報いられたことになるだろう。
内容説明
エッセイ、車内の吊り広告、グルメ雑誌、ネット、漫画などのことばの海に飛び込んで、繊細微妙な味を見分け、味分け、嗅ぎ分けた味の言語学入門。
目次
前菜―食前のことば
1の皿 味のことばとことばの味
2の皿 味ことばを調理する
3の皿 五感で味わう
4の皿 もっと五感で味わう
5の皿 さらに五感で味わう
6の皿 味ことばの隠し味
7の皿 甘くてスウィート
8の皿 苦くてビター
9の皿 味ことばの擬音語・擬態語
デザート―食後のことば
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