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内容説明
史上初。自画像で読むマンガ史。手塚治虫から藤本タツキまで400以上の漫画家マンガを紹介。系付図&リスト付き。
目次
キャラ化する漫画家たち(キャラクターとしての〈漫画家〉誕生;自伝マンガに見る本人キャラ;”私マンガ”のディープな世界;伝説として描かれた巨匠たち)
自画像と自意識の狭間で(顔を出す漫画家、出さない漫画家;自画像にあ表れる自意識;固定された自画像、変化する自画像)
〈漫画家マンガ〉の世界(漫画家という仕事の喚起と苦悩;エロ漫画家に花束を!;漫画家と編集者の熱きバトル;「マンガの描き方」を描いた漫画;拡大していく漫画家マンガの世界)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
keroppi
79
漫画家の自画像というと手塚治虫がどうしても浮かんでしまう。そういう絵を集めた本かと軽く考えて読み出したが、とんでもなかった。様々な作家の自画像や雑誌掲載の顔出し写真を取り上げつつ、その変遷から漫画家を描いた漫画まで論じている。今まで語られなかった漫画家たちの虚像と実像が入り混じり、漫画創作に苦しむ姿が見えてくる。時代の流れの中で消えていった漫画家もいる。こういう視点から浮かび上がる一つの日本漫画史として労作と言えるだろう。懐かしい漫画も数多く語られるが、永島慎二「漫画家残酷物語」を読み返したくなってきた。2022/04/21
akihiko810/アカウント移行中
26
「漫画家が自分を描いた自画像マンガ」を解説した本。印象度A+ 自伝漫画、漫画家評伝漫画、そして漫画家を扱った漫画まで、「漫画の中で漫画家はどう描かれているか」をテーマにした本。漫画好きにはめっぽう面白い本だ。やはり手塚は作中に登場しまくったので、トキワ荘組も影響を受けて漫画の中に作者ご本人が登場している。 自伝・評伝漫画、そして漫画家の自画像の項は漫画家ご本人が漫画として登場する(現れる)だが、おまけなのかフィクションである(つまり作者でない)「漫画家マンガ」についてもかなりの分量がある 2022/04/09
kei-zu
24
エッセイ漫画に限らず、漫画家が登場する漫画が好きだ。個人的に手塚治虫「バンパイヤ」への思い入れが強いのは、手塚自身が物語の中心人物であることが大きい。 「漫画家の自画像」は、(エッセイ漫画を含め)虚実の皮膜を曖昧にする。本書で取り上げられるのは、上記の手塚のようにキャラとして登場する例のほか、自伝漫画や雑誌目次に掲載される著者近況にまで及ぶ。 自画像と自意識を狭間を埋めようとする考察は、なかなかスリリング。 良書です(o^-')b2021/12/30
キイロイネコ
14
図書館本。 漫画家の自画像、自分の顔の漫画化 だけではなかった。 漫画家がどんな人生を送った人がいたかなど。 えっ、あのTシャツにカエルがついた漫画家さんがそうなったんだ。 すごい量の情報です。 また、読みたい本2023/08/11
おーすが
12
手塚治虫、トキワ荘から現在の少年ジャンプ世代まで、漫画家の自画像、というか、漫画家自身のキャラクターと、自作品との関わりについてのまとめ。切り口がよく面白く読んだ。キャラクター作りのプロである漫画家が自己をキャラクター化する時、その手管と自意識が噛み合い、リアルに存在するけどどこにもいないキャラクターが生まれる。とはいえ自伝は苦手な漫画家がいるのが面白い。ジャンプの自伝シリーズはまとめて読んでみたい。矢口高雄の『9で割れ!』も面白そう。あの語り口が自伝にどう活かされるのか。2022/11/07