内容説明
隻腕の見鬼・千早と、オカルト嫌いな県庁生安課・大野木は骨董屋「夜行堂」店主によって引き合わされ、多発する怪異の解決に挑む。人の情念や想いが、人ならざるものとなり引き起こす、数々の呪いと悲劇。その様を静かに眺める、夜行堂店主の真の目的とは…!?
著者等紹介
嗣人[ツグヒト]
熊本県荒尾市出身。温泉県にある大学の文学部史学科を卒業。在学中は民俗学研究室に所属。2010年よりWeb上で夜行堂奇譚を執筆中。妻と娘2人と暮らすサラリーマン。『夜行堂奇譚』が初著作となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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starbro
251
図書館の新刊コーナーで見つけて読みました。嗣人、初読です。本書は、夜行堂怪異譚連作短編集でした。処女作とのことですが、2010年よりWeb上で連載しているだけあり、リーダビリティの高い作品です。続いて弐巻へ。トータルの感想は弐巻読了後に。 https://www.shc.co.jp/book/165072023/01/25
ちょろこ
148
浸っていたくなる一冊。骨董屋「夜行堂」を舞台に描かれる怪異の物語はなかなかの読ませる世界観。幕開けから色彩豊かな情景描写と静けさ、この雰囲気が良い。まるで今はこの世界しか存在しない、そんな感覚にはまった。そこから数々の怪異に否が応でも連れ込まれる使い走りの千早とコンビを組む大野木。それを静かに見つめる夜行堂の店主。この三人の織りなす世界はまさに紫煙の色に包まれた幻想的な時間をも思わせる。人の心の暗部を絡めた怪異もなかなかの味わい。店主の意味深、かつ響くセリフも良い。もう少し雰囲気に浸っていたくなる紫煙色。2022/04/30
うっちー
124
ふしぎ駄菓子屋の暗黒バージョンと思いきや、必読続編。2022/03/27
ちびbookworm
117
★3-3.5.【献本】Youtube朗読で評判の「夜行堂」。ホラー好きには◎。シリーズの短編集。霊視できる片腕の主人公とただの役人がオカルト現象を解決していく話◆最初の数話は世界観が掴みづらく、多少読みにくいが読み進めると、怖さLvがアガるアガる。。。◆ダークファンタジーテイストの入り口だが、入ると「R指定」級の怖グロの幽霊、怨霊の世界。呪いや怨霊が跋扈する異界が日常のすぐそばにある。◆”ワケアリ物件”(「残穢」的)”行方不明者が出るトンネル”、など。◆夏、良質の恐怖体験をお探しの方は、ぜひ。2022/03/22
ままこ
93
妖しい女店主が営む骨董屋「夜行堂」そこは、曰く付きの品物ばかり。女店主に気に入られて働くことになった見鬼の才がある隻腕の千早。仕事を通して出会った公務員で生真面目な大野木。二人は必然とバディを組むことに。怪異に苦しむ人を救うことだけではないところが面白い。怨嗟の糸が絡まり仇をなす。怪異の発端はムカつき最低なものばかり。時系列がバラバラで、それを繋ぐことによってこれまでの経緯が見えてくる。怖く切なくぶっきらぼうな優しさがあるホラー。まだ明かされてないことが色々あるので続編も読んでみたい。怖面白かった。2023/07/27