内容説明
ホテルの物語をひもとけば、旅はもっと深く面白くなる。世界中を旅して考えたこと、感じたことを豊富な知識と鋭い感性で書き綴ったノンフィクション作家のオピニオン・エッセイ集。
目次
第1章 オリンピックの風紋
第2章 美しき日本への断想
第3章 アジアの風に吹かれて
第4章 南半球からのメッセージ
第5章 ホテルをめぐる物語
第6章 原風景への旅
著者等紹介
山口由美[ヤマグチユミ]
1962年神奈川県箱根町生まれ。慶應義塾大学法学部法律学科卒。旅とホテルを主なテーマに、ノンフィクション、紀行、エッセイ、小説など、幅広い分野で執筆している。2012年『ユージン・スミス 水俣に捧げた写真家の1100日』で小学館ノンフィクション大賞受賞。富士屋ホテル創業者、山口仙之助は曽祖父にあたる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ジュール リブレ
33
もっと写真の多い本かと思ったら文字ばっかりでした 苦笑。 でも、ホテルで生まれホテルで育った筆者の山口由美さんが実際に訪れたホテルについて語る数々。建築家の思い、オーナーの意思、お客様の感じ方から、いろんな旅を本の中で感じさせてもらいました。ほとんど未踏の高級ホテルが多かったのですが、一度、伺ってみたいものです。2019/10/08
tetsubun1000mg
10
富士屋のオーナーの家族という経歴を明らかにして今までの旅行とライターとしての取材旅行を合わせて紹介する旅エッセイ。 国内だけでなく海外での旅の情報も多くて新鮮に読めた。 特にアメリカのイエローストーンへの旅と風景が心に残った。2023/01/30
カエル子
7
富士屋ホテル創業者の血を引く著者。一般的に考えれば、とても恵まれた生い立ちで、それを誇りにしつつフル活用して「旅する作家」を生業にしていらっしゃる。きっとわたしの知らないステキホテルを紹介してくれる!と期待して読んでみたけれど、擬洋風建築とかクラシックホテルとか、わたしの範疇ではないことを再確認するだけの読書だった笑。富士屋ホテルには一度だけ泊まったことがあるけれど、掃除がまったく行き届いていなくてガツカリしたことしか覚えていない。まー、老舗には老舗の大変さがきっとおありなのだとは思いますが。2024/10/28
Hiroki Nishizumi
3
類い稀な恵まれた環境に生まれ育ち、今なお恵まれ過ぎているとも言える著者なのであるが、恐ろしいほど薄っぺらい見識しか感じないのは何故だろうか。どのページをめくっても百科事典の記事を超えない内容に終始しているのはある意味立派なのかもしれないが。2019/09/12
なん
2
「クラシックホテルとは、歴史を重ねて、ある時からそう呼ばれるのであって、最初からクラシックホテルとして創業されるのではない。(中略)ホテルとは本来、時代にあわせて変化するものだが、変化しないことに価値が存在するようになったホテルをクラシックホテルと呼ぶのではないだろうか。」 刊行直後2019年末からのコロナ禍でインバウンド需要は絶たれ、DX化は進み、旅行観光業界はもとより生活の多くの部分で岐路に立たされる事になる。 変わらなかったことで価値を創出できなかったホテルは、大分淘汰された。2023/02/14