出版社内容情報
ペットたちの最後の言葉が聞こえる……。感動が止まらない!逝くものと残されるものとの心ふるえる物語。(装画:げみ)ペットの最期の言葉を、私は飼い主に伝える。
子供の頃の交通事故をきっかけに、生き物の言葉がわかるようになった薫(25歳)。
派遣切りで職を失った彼女が再就職したのは、ペットシッター「ちいさなあしあと」。
主な仕事はペットの看取りだ。
悩みを抱えた少女に寄り添う犬、失恋した青年と暮らすうさぎ、家族の真実を見ていた猫......。
彼らの最期に立ち会い、見送り、その言葉を飼い主に伝える。
感動が止まらない!
逝くものと残されるものとの心ふるえる物語。
装画:げみ
?森 美由紀[タカモリ ミユキ]
著・文・その他
げみ[ゲミ]
イラスト
内容説明
生きものの言葉がわかる薫(25歳)の再就職先はペットシッター「ちいさなあしあと」。主な仕事はペットの看取りだ。イヌ、ネコ、ウサギ…彼らの最期に立ち合い、見送り、その想いを飼い主に伝える。逝くものと残されるものとの心ふるえる物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
utinopoti27
145
幼いころの交通事故がきっかけで、動物の言葉がわかるようになった主人公の薫は、ペットの最後を看取る「みとりし」です。冷静に淡々と仕事をこなす薫ですが、そんな彼女には凄絶な過去が・・。依頼主とペットの背景にある様々な事情や、次第に明かされる薫自身の過去が軸となって話は進みます。児童虐待・安楽死・相続争いと、深刻なエピソードは絡むものの、メインキャラたちの性格づけがやや甘いため、ストーリーに深みがなく、あっさりした仕上がりの印象。これが作風ならばそれまででしょうが、ペット好きには感動できる作品かもしれません。2018/04/23
miww
93
ペットの最期を看取るペットシッターとなった薫。彼女は生い立ちから心に闇を抱えていたが、動物たちと飼い主と関わるうちに少しずつ変わっていく。その最期を見せたくないという親、ペットより先に逝ってしまうかもしれない不安、安楽死について。ペットと暮らす以上避けては通れない「その時」について改めて考えることができた。2018/06/19
モルク
86
小学生の頃の交通事故により、動物の言葉を理解するようになった薫。求職中の彼女は、動物の最期の時がわかるという陽太が経営するペットを看取る会社に入る。身勝手な飼い主、それでも飼い主を慕う動物たち。ペットの苦しむ姿を見て安楽死を選択する人。どれも苦しかった。動物たちの最期の言葉はどれも飼い主に感謝し思い出を話すものだったけど、恨み節を言うペットはいないのかなぁ。恨まれてあたりまえという飼い主もいたけどなぁ。2018/06/19
おたけஐ೨💕🥒🍅レビューはボチボチと…
86
82/100点 ペットの最期に立ち会い、見送り、その想いを飼い主に伝えるペットシッターを描いた連作短編集。少し期待していた内容とは違っていましたが、まずまず面白く読めました。やっぱり動物を看取るシーンを読むと、ペットを飼っている者にはジーンと来るものがありました。特にウサギの最期の"僕を選んでくれてありがとう"という言葉には涙が溢れました。ただ主人公が幼い頃に母親から受けた虐待のトラウマが物語の底に流れているせいで、主人公そのものが暗く魅力に欠け、物語全体も暗くなってしまった点が残念に感じました。2018/05/01
ちょろこ
77
淡々と静かにホロリとくる一冊。ペットの最期の言葉を伝えるみとりしの物語。これは絶対、過剰な表現で涙を誘うパターンかと思ったけれど、人間の身勝手さを容赦なく見せ、時には嫌悪感を抱かせながらもただ静かに淡々とありのままのペットの最期とペットの言葉を伝えていく描写は予想外。看取った経験を思い出し、心の奥深くを刺激され、涙腺を刺激され、ホロリとさせられた。ペットも人間も、心の言葉を理解してくれる人が一人でもいたら幸せだよなぁと思った。ペットの想い、ペットへの想いを今一度考えさせられる作品でもあった。2018/05/27