内容説明
東北地方の片田舎。地元の遊園地で戦隊もののスーツアクターをしている拓真(27歳)と、拓真に引き取られた無表情な小学生・昌(8歳)が織りなす、涙あり笑いありのハートフル・ストーリー。
著者等紹介
高森美由紀[タカモリミユキ]
1980年生。青森県出身。著作に『いっしょにアんべ!』(第15回ちゅうでん児童文学賞大賞受賞、第44回児童文芸新人賞受賞/フレーベル館・刊)『ジャパン・ディグニティ』(第1回暮らしの小説大賞受賞/産業編集センター・刊)がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
モルク
108
両親亡き後、遊園地のヒーローショーでヒール役をしながら一人暮らしをしている27才の拓真。そこに突然、高校卒業と同時に家を出て会うこともなかった妹サトミの訃報が入り、存在さえ知らなかった遺児、小二の昌を引き取ることに。それから二人の生活が始まる。常識も知らず、友達もいない昌が拓真の母、そして妹から昌へと伝わるジャム作りが潤滑油となって次第に心を開いていく。誰にも嫌な顔をせず正直に向かう拓真は本物のヒーロー。拓真、昌そしてヒーロー役のつばさが本物の家族になるといいな。ほっこりあたたかい話だった。2021/06/19
優花 🍯モグモグ
101
全体的にホンワカした作品でした。また、東北弁が心地よく温かみがありました。それぞれの家族の想い、夢、優しさがありました。そして、ジャムって色んな料理に使えるんだなって感心しました。2016/09/24
舟江
99
中高校生への応援歌。読んでいて50年前の石原慎太郎の作品を思い出した。作者の高森さんは50年早ければ、青森県知事は無理としても、東京都知事にはなれたかもしれない。hahaha・・・。作中にもあったが「なんかあったらそんときはそんときに考えりゃいい。起こりもしない問題は考えない、いちいち考えていたらやっていられない」2016/09/15
ぶんこ
88
面白かったです。音信不通だった急死した妹には8歳になる子供がいた。拓真の父は冬の駅の階段で女の子を助けて事故死。母は家業のジャムを作っている時に、熱中症で死亡。何とも急死ばかりの家族に取り残された拓真と昌。昌にとっては拓真が伯父でよかったと思いました。子供目線で接することが出来る大人は貴重だと思う。食は生活の要だなぁと痛感。ジャムを上手に利用したお料理がこんなにあるなんて、真似したくなりました。2016/03/14
ゆみねこ
86
地方の遊園地でスーツアクター、しかもヒール役を演ずる27歳の拓真のもとに、急死した妹の子供がやってきた。亡き両親のこと、妹の思い、ヒーローを目指して努力する拓真。拓真と昌(あきら)の会話が面白く、ジャムの美味しそうな様子に脳内がジャムの甘みと香りで満たされる。昌と拓真の夢が叶うと良いなぁ。読みやすいのでどの年代の方にも楽しめる良書。お勧めです。2017/05/24
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